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南部杯スペシャルコラム

今年も南部杯に夢を託す

 競馬を心から楽しむことができるかどうかについてはいくつかの条件がある。その第一は何と言っても競馬場の環境である。この点では盛岡競馬場は優れた要素を多く持っている。まず、賑やかな盛岡市の中心部から離れた自然豊かな別世界の中、落ち着いた雰囲気の競馬場にたどり着くと和らいだ気分に浸ることができる。また、スタンドもきれいで、馬場に目をやると広々としたダートコースの内側には地方競馬としては日本で唯一の緑の芝コースもあり風格を感じさせる。初めて訪れた瞬間にこの競馬場が好きになった。

 さて、1988年に北日本マイルチャンピオンシップ南部杯として水沢競馬場でスタートしたこのレースは当初は地方競馬の北日本地区マイル最強馬決定戦と位置付けられた。1995年にはマイルチャンピオンシップ南部杯と改称。翌年には開催コースを盛岡競馬場に変更。1997年にはダートグレード競走のG1に格付けされ、秋のダートマイル最強馬決定戦として定着していった。今や南部杯と聞いただけで心地よい興奮を覚えるファンも多い。

 今年で33回目を迎える南部杯。振り返ってみると、のちに地方所属馬として唯一の中央G1のフェブラリーステークスの勝利を果たすメイセイオペラが1998年に勝ち、その足跡の大きさを見せつけた。多士済々を誇る中央馬勢では、アグネスデジタル、アドマイヤドン、2連覇のユートピア、3連覇したブルーコンコルド、2009年、2012年、2013年と三度にわたり勝利したエスポワールシチー、そして2連覇のベストウォーリア、同じくコパノリッキーなど、名前を聞いただけでそのレースぶりを思い出す名馬たちが名前を連ねている。
 紆余曲折を経ながらも今や南部杯は海外のホースマンたちも注目するダートマイルレースとなったのである。

 今年のレースはどうなるのか、予想してみるだけでもテンションが上がってくる。
 昨年の優勝馬サンライズノヴァの2連覇になるのか。調整は十分とも。いや、かしわ記念を制したワイドファラオはどうだろうか。帝王賞で4着に入りこのレースに焦点を合わせている。その他、今年で4年連続のゴールドドリーム、今年のフェブラリーステークスの覇者モズアスコット、昨年のフェブラリーの優勝馬インティなどなど活躍が期待される。また、そうした大方の見方に抗するような地方馬たちの戦いぶりにも大きな期待が寄せられる。
 シミュレーションが尽きない今年の南部杯。名馬たちの熱き戦いが待ち遠しい。

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