有力馬紹介
■サンライズノヴァ
昨年、プロキオンS4着から参戦。スタートで後手を踏んだが、勝負どころの3コーナーで5番手まで押し上げた。強烈な末脚を武器とするサンライズノヴァに、前半で脚を使わせるのは大きな賭け。末が甘くなる危険もあったが、吉原騎手の攻めの手がズバリ。豪快なまくりを決め、南部杯史上2番目の最速タイムでゴール。人馬とも初のG/JpnⅠを獲得した。
その後は武蔵野S5着、フェブラリーS3着、かしわ記念3着と勝ち切れなかったが、前走・プロキオンSで上がり34秒4の強烈な決め手で快勝。デビュー3戦目の京都以来、久しぶりの右回りでの1着で充実ぶりを誇示した。
過去、2連覇以上を達成したのはユートピア、ブルーコンコルド、エスポワールシチー、ベストウォーリア、コパノリッキーの5頭。6頭目の偉業を目指して勇躍登場。
■インティ
デビュー戦こそ9着に敗れたが、2戦目から長期休養をはさみながら圧巻の6連勝。GⅠ・フェブラリーSでも逃げ切りを決め、一気に頂点へ上り詰めた。
以降は勝ち切れないレースが続き、かしわ記念2着、チャンピオンズカップ3着。あと一歩のところで勝利を逃がしているが、自分の競馬に持ち込めなかったのも敗因。今回は好枠を引き当て、逃げの手を打てる可能性大。フェブラリーSを逃げ切ったようにワンターンの盛岡は合うはずだし、直線300mも歓迎。復活の舞台が南部杯になるか。
■ゴールドドリーム
4歳時にフェブラリーS、チャンピオンズSを優勝。5歳時にはかしわ記念、帝王賞を連勝。そして昨年はかしわ記念2連覇と過去G/JpnⅠ5勝。2017年のJRA最優秀ダートホースの栄誉も手に入れているが、なぜか南部杯に縁がない。
一度目(2017年)の南部杯はスタートで大きく出遅れ。それでもメンバー最速(おそらく南部杯最速)34秒4の上がりを駆使したが、0秒9差5着。2度目はルヴァンスレーヴの2着、昨年は3着。
ゴールドアリュール産駒は盛岡開催、過去10度の南部杯で7度優勝。偉大なる父に勲章を増やし、今度こそ首位を奪取したいところ。
■ワイドファラオ
デビュー4戦目にGⅡ・ニュージーランドトロフィーを快勝。続くNHKマイルカップ9着後、ダート路線へ変更。GⅢ・ユニコーンステークスを逃げ切り、芝ダート重賞を制覇した。
以降はダート強豪の壁が立ちはだかったが、かしわ記念を逃げ切って快勝。少頭数7頭立てだったとはいえ、2着に0秒4差をつけ、ビッグタイトルを手に入れた。
相手はそろったが、成長続ける4歳馬。加えて1600m4勝2着2回の好実績も後押しする。
■アルクトス
一昨年11月、錦秋Sを快勝してオープン入り。一戦置いて3連勝を飾り、プロキオンステークスを優勝。待望の重賞タイトルを獲得し、勢いを駆って南部杯へ名乗り。サンライズノヴァに0秒3差離されたが、内からじわじわと伸びて2着を確保した。その後は勝利から遠ざかっているが、通算7勝のうち6勝が左回り。盛岡ダート1600mが合っている。
鞍上・田辺裕信騎手はコパノリッキーで南部杯2連覇、JBCクラシック盛岡を優勝。またストロングサウザーでマーキュリーカップ制覇など盛岡コースと相性抜群。
■モズアスコット
父フランケルはサドラーズウェルズ→ガリレオと続くヨーロッパの主流サイアー。自身も14戦14勝。GⅠレース9連勝を含み、GⅠ通算10勝の成績を残した歴史的強豪。
日本でもソウルスターリングがオークス、阪神ジュベナイルフィリーズを制し、モズアスコットも4歳時にGⅠ・安田記念を優勝。持てる才能が開花した。
以降は勝ち運に恵まれなかったが、今年2月、根岸ステークスへ出走。鮮やかな直線抜け出しを決め、続くフェブラリーステークスも快勝。史上5頭目の芝ダートGⅠ制覇の快挙を果たした。
前走・かしわ記念はスタート直後につまづき、コーナー4つのコースにも戸惑って7頭立て6着。しかし地方ダート初の場合、脚を滑らせるケースは少なくない。今回は地方2度目に加え、ワンターンの盛岡ダート1600mが舞台。反撃のお膳立ては整った。
■モジアナフレイバー
デビュー2戦目から4連勝を飾り、南関東クラシックへ挑戦。羽田盃、東京ダービー4着に終わったが、敗戦を糧に成長。勝島王冠(2連覇)を皮切りに大井記念も制覇。
昨年の南部杯は帝王賞5着から参戦。好位キープからサンライズノヴァの外から鋭く伸びて見せ場たっぷり。4着を確保した。
前走は3ヵ月ぶりの実戦だったが、貫禄の違いを見せつけて完勝。ひと叩きされて南部杯へ臨む。
■ヒガシウィルウィン
北海道3勝、全日本2歳優駿(JpnⅠ)4着後、南関東へ移籍。羽田盃は2着だったが、東京ダービー、ジャパンダートダービー(JpnⅠ)を連勝。続く浦和記念(JpnⅡ)でも2着を確保し、NARグランプリ年度代表馬に選出された。
翌年はサンタアニタトロフィーを制したが、以降は無冠が続き今年8月、岩手へ新天地を求めてきた。
準重賞・すずらん賞は逃げたパンプキンズを捕えるのにもたついたが、久々を叩かれて反応が一変。南部杯トライアル・青藍賞を7馬身差で圧勝した。相手は一気に強化されたが、格負けはまったくなし。ライバルが強ければ強いほど燃える。