ダービーグランプリは“ダービー馬によるダービー”を夢見て１９８６年に創設。水沢２０００ｍを舞台に全国の地方競馬から優駿たちが集結した。
　第１回から第３回まで大井所属馬が３連覇を飾り、地区レベルの差をマザマザと見せつけたが、第４回は“岩手の怪物”スイフトセイダイが優勝。悲願達成に地元関係者、ファンが喜びを分かち合った。以降、レース格、認知度も上がる一方。地方競馬を代表する３歳馬たちが歴代覇者に名を連ねた。
　大転換点は１９９６年、第11回。ＯＲＯパーク完成に伴い、盛岡ダート２０００ｍに舞台を移し、ＪＲＡにも門戸を開放。それを祝福するかのように、皐月賞馬イシノサンデーが船橋・石崎隆之騎手とのコンビで優勝。新時代の幕開けを象徴する一戦となった。
　翌年１９９７年にはダートＧⅠ格付けされ、11年連続でＪＲＡ勢が優勝。別名・種牡馬選定レースの評価も得たが、２００７年、馬インフルエンザが全国にまん延。ダービーグランプリも地元重賞での実施を余儀なくされ、翌年以降は周辺事情にもより休止となった。
　しかし復活を望む声が大きく、それに応えて２０１０年に復活。原点に立ち返り、地方同士の戦いで再開。地元の雄ロックハンドスターが優勝し、見事三冠を達成した。
　復活当時、１着賞金は８００万円だったが、２０１８年から１着賞金が１０００万円。今年はさらに増額され、１着賞金が１５００万円にあがった。
　何度か記したことがあるが、ダービーグランプリが岩手競馬の歴史そのもの。今年は10月４日に雌雄が決する。