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第48回桐花賞(M1)

水沢競馬場 ダ 2000メートル2024/12/31(火) 12R 16:50発走

注目レース情報 金杯

レースについて

○歴史

 桐花賞の創設は1975年。JRA「有馬記念」を範に採り、ファン投票によって代表馬が選出される岩手競馬版グランプリレース。

 桐花賞は毎年12月31日大みそかの恒例行事として定着したが、初めて大みそかに行われたのは1992年度(第18回・優勝グレートホープ)。前後して12月30日、年明け第一週で実施されたことがあったが、2005年から12月31日に固定。現在に至っている。

 2連覇は第5、6回スリーパレード。第8、9回トウケイホープ、第17、18回グレードホープ(15年を合わせて3度優勝)。第41回、42回ナムラタイタン、第46回、第47回ノーブルサターン。またトウケイニセイ(第19回~21回)、トニージェント(第28回~30回)は3連覇の偉業達成。またエンパイアペガサスは2017年、2020年と2度制覇を果たしている。

 第1回から第5回まで舞台は盛岡(旧・緑ヶ丘)2000mで行われ、その後は水沢と交互に実施され、1982年以降は水沢2000mを舞台に行われている。桐花賞レコードは2013年、スーブルソーがマークした2分6秒0。一昨年は走路悪化のため取り止め。2018年も取り止めとなった。

昨年優勝馬 ノーブルサターン

コースの特徴

○ダート2000m

向こう正面左手・2コーナーの直後からスタートして一周半、スタンド前を二度通過する長丁場。流れが落ち着きやすく、逃げ・先行馬が上位を占める結果が多い。というのもこの距離を使用するのは基本的にM1クラスの重賞でありメンバーはいずれも実力馬。展開的な紛れが生じづらい事が背景にあるだろう。過去5年・のべ17レースで1番人気は7勝、2番人気5勝。6番人気以下からの勝利は無し。勝ち馬の位置は1コーナーや2コーナーで中団にいても最後の4コーナーでは先頭というパターンがほとんど。機動力と決め手を兼ね備えた馬に注目。

水沢競馬場コース図

データ分析

○古馬のステップは多士済々

2023年
1着 ノーブルサターン トウケイニセイ記念①←北上川大賞典①
2着 フレイムウィングス 北上川大賞典②←東京カップけやき賞③
3着 ヴァケーション トウケイニセイ記念②←スパーキングサマーC(川崎)⑫
2022年
1着 ノーブルサターン トウケイニセイ記念①←サンタアニタトロフィー⑥
2着 ヴァケーション JBCクラシック⑩←南部杯⑫
3着 グランコージー トウケイニセイ記念⑤←A級①
2020年(2021年は休止)
1着 エンパイアペガサス 北上川大賞典①←A級②
2着 ヒガシウィルウィン 絆カップ①←南部杯⑧
3着 フレッチャビアンカ 北上川大賞典②←ダービーGP①
2019年
1着 ヤマショウブラック 白嶺賞②←イーハトーブマイル①
2着 エンパイアペガサス 白嶺賞①←北國王冠③
3着 アドマイヤメテオ 白嶺賞③←絆カップ③
2017年(2018年は休止)
1着 エンパイアペガサス 浦和記念⑥←絆カップ⑥
2着 ベンテンコゾウ ダービーGP⑤←A級①
3着 ダイワエクシード 北上川大賞典①←A級②
2016年
1着 ナムラタイタン 絆カップ②←シアンモア記念①
2着 アントニオピサ 北上川大賞典②←A級①
3着 コミュニティ 北上川大賞典③←A級①
2015年
1着 ナムラタイタン 絆カップ①←南部杯⑬
2着 コミュニティ 北上川大賞典②←絆カップ③
3着 ライズライン 北上川大賞典①←絆カップ⑤
2014年
1着 コミュニティ 白嶺賞④←北上川大賞典③
2着 ナムラタイタン 北上川大賞典①←JBCクラシック⑥
3着 ワットロンクン B1①←黒潮盃⑬
2013年
1着 スーブルソー A級①←A級②
2着 モズ 北上川大賞典①←アンドロメダS⑭
3着 トーホクアロー A級④←A級②
2012年
1着 ロッソコルサ ダービーGP①←不来方賞①
2着 マイネヴィント 北上川大賞典①←A級③
3着 ジョーモルデュー A級②←道営記念⑥

 3歳馬の優勝は過去10年で2頭。共通するのは不来方賞を優勝していること。データ外となったが、2011年、カミノヌヴォーも不来方賞を制した。古馬は白嶺賞出走組から2頭が優勝しているが、2021年からトウケイニセイ記念が12月初旬に移行。結果、昨年のノーブルサターンはトウケイニセイ記念1着から桐花賞と2連覇。距離は違うが、日程を含めて前哨戦としてベストのレースになった。おそらく今後もトウケイニセイ記念が重要なカギを握るに違いない。それを除くと絆カップ、北上川大賞典出走などから桐花賞を制している。

○桐花賞優勝馬=年度代表馬の確率は4割

桐花賞優勝 年度代表馬
2023年 ノーブルサターン ノーブルサターン
2022年 ノーブルサターン ヴァケーション
2021年 休止 エンパイアペガサス
2020年 エンパイアペガサス フレッチャビアンカ
2019年 ヤマショウブラック ヤマショウブラック
2018年 休止 チャイヤプーン
2017年 エンパイアペガサス ラブバレット
2016年 ナムラタイタン ラブバレット
2015年 ナムラタイタン ナムラタイタン
2014年 コミュニティ ナムラタイタン
2013年 スーブルソー ドリームクラフト
2012年 ロッソコルサ ロッソコルサ

 桐花賞を制した3歳馬は、いずれも年度代表馬に選出されている。やはり岩手クラシック、ダービーグランプリ(今年から休止)で好走した上、桐花賞を制するとインパクト大。ほぼ満場一致で年度代表馬に選ばれている。一方、古馬で桐花賞を優勝し、年度代表馬に選ばれたのは2015年ナムラタイタン、昨年のノーブルサターンの2頭。桐花賞優勝=年度代表馬は4割。果たして今年はどのような結果となるか。

○1番人気5勝2着4回、2番人気2勝2着3回

1着 2着 3着 勝率 連対率 複勝率
1番人気 5回 4回 0回 50% 90% 90%
2番人気 2回 3回 4回 20% 50% 90%
3番人気 1回 1回 2回 10% 20% 40%
4番人気 1回 1回 2回 10% 20% 40%
5番人気 0回 1回 1回 0% 10% 20%
6人気以下 1回 0回 1回

 1番人気の優勝はノーブルサターン(2度)、ナムラタイタン(2度)、ロッソコルサの5回。さらに2着も4回を確保し勝率50%、連対率90%と1番人気の信頼度は高い。続く2番人気の優勝はヤマショウブラック、エンパイアペガサス(2017年)の2頭。終わってみれば納得の結果。1、2番人気馬が過去10回中7度も優勝している。3番人気の優勝は2020年のエンパイアペガサス。4番人気はコミュニティ。4番人気以内の優勝率は90%となっている。

 6番人気以下での優勝は2013年、スーブルソー。単勝でも2370円の高配当を演出し、3連単も83360円。実は1番人気が連対の外したのがこの年。1番人気ローレルカンタータが6着に沈み、波乱の一戦となった。ただし大波乱はこの1回のみ。基本は本命サイド。近3年も人気順はともかく1~3番人気が上位3着までを確保している。

○3歳馬優勝2回、4歳2回だが、各世代ともまんべんなく優勝

1着 2着 3回 通算
3歳 2回 1回 2回 11回
4歳 2回 0回 2回 5回
5歳 0回 3回 2回 9回
6歳 1回 4回 2回 8回
7歳 1回 1回 0回 7回
8歳 1回 1回 2回 4回
9歳 2回 0回 0回 2回
10歳 1回 0回 0回 1回

 第1回からの世代別優勝で目につくのは3歳馬。史上初めて3歳優勝を果たしたカウンテスアップを皮切りに、計11頭が優勝。過去10年でも2頭が桐花賞を制している。ただ絶対とも言えない。過去10回こそ5歳馬の優勝はなかったが、トータルでは各世代からまんべんなく優勝馬が出ている。なお9歳、10歳の優勝はナムラタイタン。ノーブルサターンは8歳、9歳で優勝した。

有力馬紹介

ファン投票2位・ヒロシクン

セン5歳

佐藤雅彦きゅう舎・水沢

 中央ダート1800m1勝から転入。B1クラスへ編入してアッサリ3連勝後、伝統の一條記念みちのく大賞典へ強気の挑戦。鮮やかな逃げ切りを決めて重賞初挑戦でビッグタイトルを獲得した。続いてJpnⅢ・マーキュリーカップへ駒を進め、果敢に先手を主張して13着。その後、福島で2ヵ月の休養に入り、復帰戦の青藍賞を完勝。続いてJpnⅠ・マイルチャンピオンシップ南部杯15着からA級戦1着からトウケイニセイ記念へ出走。グランコージーの執拗なマークに遭ったが、後続の追撃をしのいで快勝。地元同士の戦いでは負けなしのまま、ファン投票・桐花賞へ臨む。

ファン投票3位・ミニアチュール

牝4歳

佐藤祐司きゅう舎・水沢

 昨年、ダイヤモンドカップ、東北優駿、ひまわり賞、OROオータムティアラと牡牝馬クラシック四冠を獲得して最優秀3歳馬の栄誉を獲得。続く川崎遠征・ロジータ記念10着からスランプに陥り、古馬A級の壁に突き当たったが、今季3戦目の盛岡1000m戦を完勝後、ついに復活。牝馬交流・ビューチフルドリーマーカップを含めて圧巻の5連勝を飾った。トウケイニセイ記念は6着に終わったが、レース間隔が若干開いたことも影響したか。水沢2000mは東北優駿優勝で問題ないことを証明済み。ヒロシクンとの対戦2度目で逆転をもくろむ。

ファン投票5位・ノーブルサターン

牡10歳

板垣吉則きゅう舎・水沢

 中央ダート4勝・オープンから一昨年暮れに転入。トウケイニセイ記念、桐花賞を制してシーズン終了。昨年は春にシアンモア記念、秋以降は北上川大賞典、トウケイニセイ記念、桐花賞を制して満票で年度代表馬に選出された。今年も赤松杯から始動したが、4着。連覇を狙ったシアンモア記念は3着にとどまり、4ヵ月半休養。反撃を目指したが、いまだ今季未勝利。年齢的な衰えが見え隠れするが、ベストの水沢2000m・桐花賞3連覇で復活を賭ける。

ファン投票6位・サクラトップキッド

牡3歳

伊藤和忍きゅう舎・水沢

 岩手二冠を制し、園田遠征・楠賞優勝で全国に名をとどろかせているフジユージーンの同期で壁は厚かったが、東北優駿2着。JpnⅡへ昇格した不来方賞ではフジユージーン4着に対し、0秒3差6着。奥手が着実に力をつけていることを証明した。以降は果敢に古馬重賞へ挑戦し、ついには北上川大賞典を優勝。成長一途をたどっている。典型的なステイヤーで2000mは望むところ。ハイレベル世代3歳馬は古馬の頂上決戦も制するか、期待と注目が集まる。

ファン投票10位・ゴールドギア

牡9歳

伊藤和忍きゅう舎・水沢

 中央芝5勝オープンから昨年転入。芝準重賞・かきつばた賞を優勝し、交流・せきれい賞2着、OROカップ3着などの成績から最優秀ターフホースに選出された。今季は残念ながら芝重賞のほとんどが取り止め。ゴールドギアには不運だったが、ダートでも好走。あすなろ賞2年連続2着、一條記念みちのく大賞典3着、北上川大賞典3着。長距離戦ならダートでも上位争いに持ち込める。

報道推薦・フレイムウィングス

セン7歳

酒井仁きゅう舎・水沢

 中央ダート2勝、南関東1勝・B1級から転入。岩手では白星を手にできないでいるが、昨年は北上川大賞典、桐花賞で連続2着。今季もあすなろ賞3着、すずらん賞2着で健在を誇示している。いわゆるじり脚タイプで2000m以上がベストの距離。昨年の再現を狙っている。

注目レース情報 金杯