注目レース情報

第49回シアンモア記念(M1)

盛岡競馬場 ダ 1600メートル2024/5/12(日)

レースについて

○歴史

 シアンモア(Shian Mor)は1924年、イギリスで生まれたバッカン (Buchan)産駒。現役時代、14戦4勝。イギリス(エプソム)ダービーでも3着に入り、引退直後に小岩井農場が輸入。第2回日本ダービー、カブトヤマを皮切りに第3回フレーモア、第4回ガヴァナーと3年連続で日本ダービーを輩出したほか、数々の名馬を送り出した。

 シアンモア記念は偉大なる種牡馬に敬意を表し、1975年に創設。一條記念みちのく大賞典、桐花賞と並ぶ岩手古馬の根幹重賞。一昨年から1着賞金が500万円から倍増、1000万円へグレードアップした。

 第1回から第5回まで盛岡(旧)1900mで行われ、第6回から第25回まで2000mが舞台。第26回(2000年)から1600mを舞台に行われ、現在は春のマイル王決定戦に位置付けられている。昨年は2018年以来、5年ぶりに盛岡ダート1600m(2013年から2018年まで)で実施。今年も盛岡を舞台に行われる。

 過去、2連覇を達成したのはスイフトセイダイ(第17、18回)、トウケイニセイ(第20、21回)、ミヤシロテュードオ(第22、23回)、メイセイオペラ(第24、25回)、タイキシェンロン(第30、31回)の5頭。またナムラタイタンが2度制覇(第39、41回)を果たしている。

 なおシアンモア記念は2005年から2018年まで地方競馬全国交流で実施され、2019年から地元重賞へ。その点を前提にしたデータです。

昨年優勝馬 ノーブルサターン

コースの特徴

○ダート1600m

 スタート地点はコース右手奥、2コーナーから伸びる引き込み線の最奥。向こう正面は約800mに及び、途中通過するコナーはわずか2カ所。枠順による有利・不利は少なく、G1なら16頭立てにもなるがそれでも枠の内・中・外で勝率・連対率の差がほとんど無い。 馬の実力がしっかり反映された戦いを期待できるダート1600mはOROパークが誇るチャンピオンコースだ。ただし意外に流れが落ち着きがちで本格的な差し・追込馬には展開が向かない場合も多い点には要注意。先行・好位の決着が多い南部杯のイメージ通りだ。

盛岡競馬場コース図

データ分析

○1番人気4勝だが、2着は0回3着3回

1着 2着 3着 単勝率 連対率 複勝率
1番人気 4回 0回 3回 40% 40% 70%
2番人気 2勝 5回 1回 20% 70% 80%
3番人気 1回 1回 4回 10% 20% 60%
4番人気 1回 3回 1回 10% 40% 50%
5番人気 1回 0回 0回 10% 10% 10%
6人気以下 1回 1回 1回

 1番人気4度優勝(ランガディア、ベンテンコゾウ、ナムラタイタン2回)。2番人気2度優勝(ヒガシウィルウィン、ロジストーム)。1番人気4度優勝は決して多くはない。特に近3年は1番人気ゴールデンヒーラー(2023年)6着、ゴールデンヒーラー(2022年)3着、チャイヤプーン(2021年)3着と3年連続で1番人気は苦戦を強いられている。

 1番人気は単勝率40%、複勝率70%はマズマズの数字だが、2着がない点も頭に入れておきたい。一方、2番人気は連対率70%、複勝率80%と1番人気を上回っている。2連モノ、3連モノでは上位かもしれない。

 昨年のノーブルサターンは5番人気で優勝。6番人気の優勝は2017年のユッコ・あまり人気にとらわれない方がいいかも知れない。

○各世代ともまんべんなく優勝

1着 2着 3着
4歳 2回 0回 2回
5歳 2回 2回 1回
6歳 2回 1回 1回
7歳 1回 3回 4回
8歳 1回 2回 1回
9歳 1回 0回 1回
10歳 1回 1回 0回
11歳 0回 1回 0回

 4歳馬の優勝は2018年のベンテンコゾウ、2015年のライズライン2頭。5歳、6歳馬も共通して2度制している。また2014年は1着ナムラタイタン、2着トウホクビジン、3着アクロスジャパンと8歳馬がワンツースリー・フィニッシュを決めている。

 10歳馬の優勝は2016年ナムラタイタン、10歳馬の2着は2018年タイセイファントム。11歳馬の2着は2019年のイーグルカザン。昨年も9歳馬ノーブルサターンが優勝した。シアンモア記念は年齢を度外視していい。

○トライアル・赤松杯との連動性は?

赤松杯1着 シアンモア記念
2023年 グローリーグローリ 5着
2022年 マイネルアストリア 5着
2021年 チャイヤプーン 3着
2020年 ランガディア 優勝
2019年 ロジストーム 優勝
2018年 ベンテンコゾウ 優勝
2017年 イーグルカザン 4着
2016年 ナムラタイタン 優勝
2015年 ナムラタイタン 不出走
2014年 ナムラタイタン 優勝

 岩手競馬の古馬重賞路線、春の王道は赤松杯→シアンモア記念。同じ1600mが舞台ということもあって過去10年で5度、連勝を果たしているが、優勝確率は5割=50%。

 しかし3年前、ヒガシウィルウィンは赤松杯5着からシアンモア記念を優勝。一昨年、優勝ヴァケーションは赤松杯2着からシアンモア記念優勝。昨年はノーブルサターンが赤松杯4着からシアンモア記念を制した。結論は赤松杯優勝を重視しつつ、赤松杯出走馬にも広く注目する必要がある。

○ミスプロ系恐るべし!しかし盛岡で行われた昨年はAPインディ系が優勝

2023年 1着 ノーブルサターン 父カジノドライヴ(APインディ系)
2022年 1着 ヴァケーション 父エスポワールシチー(SS系)
2021年 1着 ヒガシウィルウィン 父サウスヴィグラス(ミスプロ系)
2020年 1着 ランガディア 父キングカメハメハ(ミスプロ系)
2019年 1着 ロジストーム 父アンブライドルズソング(ミスプロ系)
2018年 1着 ベンテンコゾウ 父サウスヴィグラス(ミスプロ系)
2017年 1着 ユッコ 父ハーツクライ(SS系)
2016年 1着 ナムラタイタン 父サウスヴィグラス(ミスプロ系)
2015年 1着 ライズライン 父スクリーンヒーロー(ロベルト系)
2014年 1着 ナムラタイタン 父サウスヴィグラス(ミスプロ系)

 ダート競馬でミスプロ系の活躍は当然のことだが、シアンモア記念でも過去10年で6回優勝。2020年、2021年は上位3着までをミスプロ系が独占した。一昨年はSS系ヴァケーションが優勝。2017年、ユッコ以来2度目のSS系が制覇となった。2着グランコージーはミスプロ系、3着ゴールデンヒーラーはノーザンダンサー系。少しばかり流れが変わったか。そして昨年、盛岡ダート1600mで行われ、ノーブルサターンが優勝。APインディ系が初めてシアンモア記念を優勝。最近、APインディ系がダート界を席巻しているが、岩手も例外ではなかった。

有力馬紹介

ノーブルサターン

牡10歳 父カジノドライヴ(APインディ系)

板垣吉則きゅう舎・水沢

 3歳時にJpnⅡ・兵庫チャンピオンシップ(1870m)2着、ジャパンダートダービー5着。5歳時にはJpnⅢ・マーキュリーカップへ参戦してグリムの2着。翌年11月、南関東へトレードされて5戦目・梅見月杯(名古屋)を快勝したが、以降は勝ち星なし。一昨年12月、岩手へ新天地を求めてきたが、それが見事的中。トウケイニセイ記念、桐花賞と重賞2連勝を飾ってシーズンを終了。昨年もシアンモア記念、終盤に北上川大賞典、トウケイニセイ記念、桐花賞と重賞3連勝。満場一致で年度代表馬に選出された。今年も赤松杯から始動して2年連続4着止まりだったが、典型的な叩き良化型。シアンモア記念2連覇へ満を持して登場する。

グランコージー

牡7歳 父ベルシャザール(ミスプロ系)

千葉幸喜きゅう舎・水沢

 2歳時6戦5勝、重賞・若駒賞、寒菊賞を制して2歳最優秀馬の座を獲得。その後、南関東へ移籍してクラウンカップ6着から帰郷。岩手クラシック一冠目・ダイヤモンドカップを逃げ切った。その後はフレッチャビアンカに主役を奪われ、南関東へ移籍。2勝をマークして里帰り。シアンモア記念でヴァケーションの2着に粘った。ほかに桐花賞でも3着を確保し、再び南関東入り。1勝後、昨年11月、3度目の里帰り。初戦の1勝のみにとどまったが、今年はあっさり2連勝。赤松杯を逃げ切り、ダイヤモンドカップ以来の重賞を手にした。舞台は水沢から盛岡に替わるが、盛岡マイル5戦3勝と問題なし。重賞2連勝を決めるか注目。

ヴァケーション

牡7歳 父エスポワールシチー(SS系)

畠山信一きゅう舎・水沢

 2歳時にJpnⅠ・全日本2歳優駿を制したビッグネームホース。以降は秋の鞍(名古屋)1勝のみにとどまり、一昨年に岩手入り。赤松杯2着からシアンモア記念を快勝。見事復活を果たし、一條記念みちのく大賞典3着、JpnⅢ・マーキュリーカップで3着に善戦。桐花賞でも2着を確保して年度代表馬に選ばれた。昨年は一條記念みちのく大賞典を8馬身差で逃げ切り、健在を誇示。以降は順調さを欠いたが、トウケイニセイ記念2着、桐花賞3着とまずまずの結果を残した。盛岡は3着最高だが、苦手イメージはなし。赤松杯を叩いて上昇確実。

スズカゴウケツ

牡7歳 父スズカコーズウェイ(ストームキャット系)

千葉幸喜きゅう舎・水沢

 中央ダート1600m2勝、ダート1800m1勝から一昨年転入。初戦を快勝し、OROカップ7着後、名古屋へトレード。1勝をマークして再度岩手入り。シアンモア記念2着、一條記念みちのく大賞典2着と大舞台で活躍した。今冬は南関東で2戦3着。赤松杯で帰郷して7着だったが、左回りで好成績。コース替わって巻き返しに転じる。

ライアン

牡5歳 父ディープインパクト(SS系)

佐藤浩一きゅう舎・水沢

 2歳時、重賞・平和賞を含めて6戦4勝。翌年は羽田盃でミヤギザオウの2着を確保した強豪。その後は精彩を欠いて中央入り。障害戦3戦を使って岩手入りし、赤松杯で2着を死守した。過去4勝をすべて左回りであげ、盛岡替わりは望むところ。まだ伸びしろ十分の5歳馬。大仕事をやってのけるか。

フレイムウィングス

セン7歳 父パイロ(APインディ系)

酒井仁きゅう舎・水沢

 中央ダート2勝、南関東1勝・B1級から転入。未勝利ながら一條記念みちのく大賞典3着、北上川大賞典2着、桐花賞2着とビッグレースで活躍した。マイルより中距離以上がベストだが、ワンターンの盛岡マイルなら十分こなせる。