注目レース情報

第56回不来方賞(JpnⅡ)

盛岡競馬場 ダ 2000メートル2024/9/3(火) 10R 17:05発走

注目レース情報 ビューチフルドリーマーカップ

レースについて

○歴史

 不来方賞の創設は1969年(昭和44年)。盛岡城(現在は城址)の別名・不来方(こずかた)城から命名され、元祖・岩手版ダービー。当然のことだが、数々の強豪が歴代優勝馬に名前を連ねてきた。

 タガワキング、タガワリユウオー、カウンテスアップ、シャドウイメージ、スイフトセイダイ、サンドリーズン、モリユウプリンス、メイセイオペラ、バンケーティング、ロックハンドスター、エンパイアペガサス。そしてサンエイキャピタル、ヤマショウブラック、フレッチャビアンカ。まさに岩手競馬の歴史そのものといっても過言ではない。

 ただ、ダービーグランプリの創設(休止時期も含む)により、位置づけは何度か変遷があった。また昨年(2023年 優勝ルーンファクター)も含めて過去に3度、水沢2000mで行われたが、2010年以降は盛岡ダート2000mが舞台。JpnⅡに昇格した今年は再び盛岡ダート2000mへ戻った。

 前後するが、不来方賞は今年、JpnⅢへ昇格。1着馬には新設のダート三冠目・ジャパンダートクラシック(大井2000m)のトライアルとなり、1着馬に優先出走権が与えられる。

 岩手競馬でJpnⅡ実施は初めて。JpnⅠ・マイルチャンピオンシップ南部杯、JpnⅢ・マーキュリーカップ、クラスターカップと7月から4ヵ月間連続でダートグレード競走が楽しめる。

 今回のJpnⅡ昇格は岩鷲賞と並び、岩手競馬で最も歴史を重ねてきた“岩手版ダービー”不来方賞。そして1986年から昨年2023年(休止期間2年)まで36回にわたって実施されてきたダービーグランプリを評価された結果。岩手伝統の3歳重賞『不来方賞』は今年から新たな道を歩み始める。

昨年優勝馬 ルーンファクター

コースの特徴

○ダート2000m

4コーナー奥のポケットからスタートして2度の坂越えを要求される過酷なコース。それだけに中途半端な逃げや先行馬は苦し い。逆に、そんなイメージのせいか実力馬が先行策を採ると他が競りかけてこず、そのまま押し切って圧勝してしまうケースも。昨年は3レースのみでいずれも重賞。勝ったのはいずれも1番人気、いずれも逃げ・先行決着だった。その昨年の勝ち馬は外枠だったが過去5年の結果では1枠を筆頭に内枠の勝利が多い。ただし2着・3着まで見れば外枠も遜色なく、内外での有利・不利はあまり気にしなくていいだろう。

盛岡競馬場コース図

有力馬紹介

カシマエスパーダ

牡3歳 父ホッコータルマエ

鈴木慎太郎厩舎・美浦

 デビューは今年1月、中山ダート1800m戦。出遅れを喫して後方からの競馬になったが、メンバー最速の上がりを披露して4着。素質の片りんをのぞかせた。以降もダート1800m1本でローテーションを組んで目下3連勝中。一戦ごとに進化を続けている。先行して良し、差しても良しの自在脚質が武器。目指すのはダート三冠目・ジャパンダートクラシック。5月のリステッドレースを勝利後は放牧に出て不来方賞を目標にしっかり調整を消化。初重賞を手にし、次走に弾みをつける。

サンライズジパング

牡3歳 父キズナ

音無秀孝きゅう舎・栗東

 デビュー2戦目の阪神ダート1800mを0秒7差で完勝。2着に退けたアンモシエラは後に羽田盃2着、東京ダービー3着。ハイレベルのメンバー構成だった。続いてJpnⅢ・JBC2歳優駿に駒を進めて2着だったが、勝ったのはフォーエバーヤングでは仕方なし。一戦置いてGⅠ・ホープフルステークス3着、リステッド・若駒ステークスを快勝。皐月賞、日本ダービーに挑戦した。今度は5戦ぶりのダートだが、超がつく適性を証明済み。スケール大きく首位を奪回する。

サトノフェニックス

牡3歳 父ヘニーヒューズ

西園正都きゅう舎・栗東

 ダート1200m、1400mでデビュー2連勝。2戦目、3着に退けたラムジェットは後にユニコーンステークス、東京ダービーを連勝した。兵庫ジュニアグランプリ2着、全日本2歳優駿5着後、中東へ遠征。サウジダービー10着、UAEダービーは出走取り消しに終わり、4ヵ月の休養。復帰戦のレパードステークスは回復度合いがカギだったが、2着に粘って健在を誇示した。2000mがネックだが、新潟ダート1800mをこなせれば克服十分。

フジユージーン

牡3歳 父ゴールデンバローズ

瀬戸幸一きゅう舎・水沢

 デビュー戦の水沢850mを2秒2の大差で圧勝。周囲の度肝を抜き、以降も圧勝に次ぐ圧勝。現在まで無敗8連勝の快進撃を続けている。春2戦は気負いが見えたが、前走・東北優駿では折り合いもつき余裕で圧勝。2000mを難なくこなしたことも収穫だった。その後は遠野馬の里へ移動。坂路にも入り、瀬戸幸一調教師「腰からトモにかけて肉付きが良くなった。欲しい筋肉だったので非常にいい形になった」とコメント。今度は正真正銘の全国が相手。岩手の期待を一身に集めて、いざ!

タイセイミッション

牡3歳 父キタサンブラック

伊藤圭三きゅう舎・美浦

 デビュー2戦の芝3、14着から3戦目の中京ダート1800mを完勝。続く2戦は着外に終わったが、前走・札幌ダート1700m戦を5馬身差で圧勝。見事なロングスパートを決めた。メンバーは強化されたが、スタミナ勝負なら引けを取らない。

ブラックバトラー

牡3歳 父シニスターミニスター

田中淳司きゅう舎・門別

 門別2連勝を飾り、ブリーダーズゴールドジュニアカップを優勝。続いてサンライズカップ2着、JpnⅢ・JBC2歳優駿3着。南関東遠征2戦は6、9着に敗れたが、帰郷後、北斗盃優勝、北海優駿2着、王冠賞2着。北海道クラシック一冠のみだったが、いずれもメンバー最速の上がりを披露した。これが不来方賞で武器になる。