注目レース情報

第52回一條記念みちのく大賞典(M1)

水沢競馬場 ダ 2000メートル2024/6/23(日) 11R 18:15発走

レースについて

○歴史

 みちのく大賞典は1973年に創設。岩手古馬の最高峰レースに君臨し、優勝馬の名前は盛岡、水沢などを往来する馬運車に刻まれる。昨年の覇者ヴァケーション号も新たに加わった。

 さすが最高峰レースにふさわしく、連覇(3連覇)した競走馬は岩手競馬史に残る強豪ばかり。第7、8回スリーパレード、第18、19回スイフトセイダイ、第19、20回グレートホープ(第19回は1着同着)、第22、23回モリユウプリンス、第26、27、28回メイセイオペラ(3連覇)、第32、33回トニージェント、そして2021年はエンパイアペガサスが第45回、46回に続いて3度目制覇。メイセイオペラ以来、史上2頭目の偉業を達成した。

 また日本の馬産界に多大な功績を残した一條牧夫、友吉親子の名前を後世に残すため、2004年からレース名称を一條記念みちのく大賞典とした。

 過去10年の舞台は2014年~2015年は水沢、2016年は盛岡、2017年~2023年は水沢競馬場。

昨年優勝馬 ヴァケーション

コースの特徴

○ダート2000m

 向こう正面左手・2コーナーの直後からスタートして一周半、スタンド前を二度通過する長丁場。流れが落ち着きやすく、逃げ・先行馬が上位を占める結果が多い。というのもこの距離を使用するのは基本的にM1クラスの重賞でありメンバーはいずれも実力馬。展開的な紛れが生じづらい事が背景にあるだろう。過去5年・のべ17レースで1番人気は7勝、2番人気5勝。 6番人気以下からの勝利は無し。勝ち馬の位置は1コーナーや2コーナーで中団にいても最後の4コーナーでは先頭というパターンがほとんど。機動力と決め手を兼ね備えた馬に注目。

水沢競馬場コース図

データ分析

○1番人気5勝、2番人気2勝、3番人気2勝

1着 2着 3着 勝率 連対率 複勝率
1番人気 5回 0回 2回 50% 50% 70%
2番人気 2回 1回 3回 20% 30% 60%
3番人気 2回 3回 1回 20% 50% 60%
4番人気 1回 2回 0回 10% 30% 30%
5番人気 0回 2回 1回 0% 20% 30%
6人気以下 0回 2回 3回

 1番人気の優勝はエンパイアペガサス、ランガディア、エンパイアペガサス、エンパイアペガサス、ナムラタイタンの5頭。2番人気は昨年のステイオンザトップ、コミュニティの2頭。3番人気はハドソンホーネット、ミラクルフラワーの2頭。1番人気の勝率5割は信頼度の高さ。2番人気、3番人気もそれぞれ2頭。

 昨年は4番人気ヴァケーションは8馬身差で圧勝。前走・シアンモア記念で7着に終わったため評価が下がったが、2022年度の年度代表馬が意地を見せた一戦だった。なお、4番人気の優勝は2008年ブラーボウッズ以来だった。以上のことから優勝馬は上位人気馬と判断していいだろう。

○5歳馬優勝3回、8歳馬3回、4歳馬2回、6歳馬2回

1着 2着 3着
4歳 2回 1回 1回
5歳 3回 1回 2回
6歳 2回 1回 4回
7歳 0回 3回 3回
8歳 3回 3回 0回
9歳 0回 1回 0回

 5歳馬の優勝はハドソンホーネット(レコード)、エンパイアペガサス、コミュニティの3頭。5歳馬は競走馬の円熟期と言われ、心身ともに完成する時期と重なる。8歳馬の活躍も目につく。2021、2018年はステイオンザトップ、エンパイアペガサス。2014年、ナムラタイタンが8歳馬で優勝を果たした。参考データだが、昨年は1着から3着馬まですべて6歳馬が独占した。

 また4歳馬は過去10年でエンパイアペガサス、ミラクルフラワーの2頭が優勝しているが、みちのく大賞典の歴史では稀なケース。第3回カネヒエイが4歳馬初優勝を果たし、以降はスイフトセイダイ、テンショウボス、コスモフィナンシェ。近10年では2頭が優勝しているが、第1回から昨年第51回まで4歳馬の優勝は計6頭のみ。総合的には4歳馬の優勝ハードルは相当高いと見ていい。

○過去10年はミスプロ系がリード

2023年 ヴァケーション 父エスポワールシチー(SS系)
2022年 ステイオンザトップ 父ステイゴールド(SS系)
2021年 エンパイアペガサス 父エンパイアメーカー(ミスプロ系)
2020年 ランガディア 父キングカメハメハ(ミスプロ系)
2019年 ハドソンホーネット 父ロージズインメイ(ヘイロー系)
2018年 エンパイアペガサス 父エンパイアメーカー(ミスプロ系)
2017年 エンパイアペガサス 父エンパイアメーカー(ミスプロ系)
2016年 ミラクルフラワー 父プリサイスエンド(ミスプロ系)
2015年 コミュニティ 父ブライアンズタイム(ロベルト系)
2014年 ナムラタイタン 父サイスヴィグラス(ミスプロ系)

 さすがダート競馬でミスプロ(ミスタープロスペクター)系は強さを発揮。エンパイアペガサス3度優勝を含め、計6頭の優勝馬が出ている。対してサンデーサイレンス=SS系は一昨年、昨年と2年連続で優勝。また広義で言えばSSはヘイルトゥリーズン系。そうなるとハドソンホーネット、コミュニティもヘイルトゥリーズン系。2000mが舞台ならSS系にも十分出番はある。

○トライアル・あすなろ賞との連動性は?

あすなろ賞優勝 みちのく大賞典
2023年 グローリーグローリ 4着
2022年 マイネルアストリア 5着
2021年 チャイヤプーン 3着
2020年 パンプキンズ 5着
2019年 ハドソンホーネット 1着
2018年 グランウブロ 3着
2017年 エンパイアペガサス 1着
2016年 コミュニティ 4着
2015年 コミュニティ 1着
2014年 コウギョウデジタル 不出走

 トライアル・あすなろ賞1着馬のみちのく大賞典優勝は3回。評価は分かれるところだが、過去10回(不出走を含む)で3頭の優勝馬は好データと判断したい。また2020年前まではあすなろ賞→一條記念みちのく大賞典は中1週のローテーションだったが、2021年から中3週のローテーションとなったことも悪くない材料だろう。

有力馬紹介

グランコージー

牡7歳 父ベルシャザール(ミスプロ系)

千葉幸喜きゅう舎・水沢

 岩手デビューで6戦5勝、重賞・若駒賞、寒菊賞を優勝し、2歳最優秀馬に選出された。冬期間に一旦、南関東へ移籍してクラウンカップ(川崎)6着から帰郷。ダイヤモンドカップは1番人気をフレッチャビアンカに譲ったが、9馬身差で逃げ切り圧勝。岩手一冠目を獲得したが、以降はフレッチャビアンカの後塵を拝して東北優駿(岩手ダービー=当時)4着、不来方賞3着、ダービーグランプリ3着。続くイーハトーブマイルも3着に敗れ、南関東へ移籍。2勝をマークして岩手へ再転入。シアンモア記念で2着に粘ったが、1勝のみにとどまり3度目の南関東入り。昨年暮に3度目の里帰りして初戦を逃げ切ったが、トウケイニセイ記念9着、最終戦2着でシーズンを終えた。

 今季は水沢へ移籍して心機一転。鮮やかな3連勝を飾り、赤松杯ではダイヤモンドカップ以来の重賞制覇。さらにはシアンモア記念も逃げ切り、今季3戦3勝の快進撃を続けている。今回は2000mが舞台。過去、3着3回が最高で距離延長が最大ネックだが、今の勢いがあれば十分克服できる。

ヴァケーション

牡7歳 父エスポワールシチー(SS系)

畠山信一きゅう舎・水沢

 南関東で6戦5勝3着1回、JpnⅠ・全日本2歳優駿を制し、NARグランプリ最優秀2歳馬の栄誉を獲得。しかし以降は秋の鞍(名古屋)1勝のみにとどまり、一昨年4月に転入。初戦・赤松杯は久々の実戦も影響して2着だったが、シアンモア記念を快勝。岩手で見事再生し、一條記念みちのく大賞典3着からJpnⅢ・マーキュリーカップで3着に健闘。最終戦・桐花賞も2着にまとめ、年度代表馬に選出された。

 昨年は一條記念みちのく大賞典を8馬身差で逃げ切って圧勝。健在を誇示したが、川崎遠征後は順調さを欠いて3ヵ月半休養。トウケイニセイ記念2着、桐花賞3着の成績を残した。今季は赤松杯3着からシアンモア記念2着。盛岡コースで初連対を果たし、上昇ムードに乗ってみちのく大賞典2連覇を目指す。

フレイムウィングス

セン7歳 父パイロ(APインディ系)

酒井仁きゅう舎・水沢

 中央ダート1800mで2勝マーク。4歳夏に去勢手術が施され、2022年9月に南関東へトレードされ、B1戦で1勝後、昨年3月に岩手入り。一條記念みちのく大賞典3着、北上川大賞典2着、桐花賞2着。まだ岩手で白星をあげていないが、大舞台で好走を続けている。今季2戦は着外だったが、前走・あすなろ賞3着で復調気配をうかがわせているのが強み。

スズカゴウケツ

牡7歳 父スズカコーズウェイ(ストームキャット=ノーザンダンサー系)

千葉幸喜きゅう舎・水沢

 中央ダート3勝から一昨年に転入。2戦1勝から名古屋へ移籍して6戦1勝から 再転入。シアンモア記念2着、一條記念みちのく大賞典2着に健闘し、その後に1勝マーク。冬場は南関東へ移籍して2戦3着から里帰り。3戦目、あすなろ賞を完勝して初重賞を手にした。2000mは気持ち長い印象もあるが、昨年2着。今年はトライアルを勝ってみちのく大賞典へ臨む。

ゴールドギア

牡9歳 父ロードカナロア(ミスプロ系)

伊藤和忍きゅう舎・水沢

 中央芝5勝から昨年に転入。あすなろ賞2着から芝準重賞・かきつばた賞を優勝。続いて芝交流・せきれい賞2着、OROカップ3着の成績から最優秀ターフホースに選ばれた。今季は芝スタートが遅らせたためダート路線を歩んでいるが、前々走2着、あすなろ賞2着。ダートもこなし、ここでも目が離せない。

グローリーグローリ

牡9歳 父シニスターミニスター(APインディ系)

菅原勲きゅう舎・水沢

 中央ダート4勝、障害1勝から昨年3月に転入。赤松杯、あすなろ賞と重賞2勝を獲得した。昨年後半は順調さを欠き、今季2戦も着外に沈んだが、3戦目を快勝。あすなろ賞は4着に敗れて連覇はならなかったが、前走2着を確保。本来の動きを取り戻しつつある。