注目レース情報

第46回北上川大賞典(M2)

水沢競馬場 ダ 2500メートル2024/11/24(日) 12R 18:15発走

レースについて

○歴史

 北上川大賞典の創設は1978年。北上川大賞典は舞台が旧盛岡競馬場(緑ヶ丘)、水沢競馬場、新盛岡競馬場(新庄)、水沢競馬場と替わっても一貫して岩手競馬の最長距離重賞レースとして実施されている。

 2000年から新潟、上山、岩手の三県交流で行われ、2005年から2009年まで地方競馬全国交流。2010年から地元重賞で実施され、現在に至っている。

 3連覇を果たしたのはボールドマックス、グレートホープ。そして一昨年、エンパイアペガサスも3連覇の偉業を達成した。2連覇はスリーパレード、トウケイニセイ、モリユウプリンス、メイセイオペラ、グローバルゴッドの5頭。

 2020まで水沢2500mが舞台だったが、2011年、2021年から盛岡が舞台に替わったが、一昨年から2600mへ移行。今年は再び水沢2500mを舞台に行われる。

昨年優勝馬 ノーブルサターン

データ分析

○最長距離戦は2000m以上の経験がモノをいう

2023年
<>は2000m以上の成績(芝ダート含む)*2019年は休止
1着 ノーブルサターン <3.1.0.13>
2着 フレイムウィングス <0.2.1.5>
3着 レールガン <0.1.3.8>
2022年
1着 ジェイケイブラック <0.0.2.4>
2着 ヴォウジラール <1.3.0.7>
3着 レールガン <0.1.2.8>
2021年
1着 エンパイアペガサス <10.2.3.7>
2着 レールガン <0.0.2.8>
3着 ジェイケイブラック <0.0.1.5>
2020年
1着 エンパイアペガサス <7.2.3.6>
2着 フレッチャビアンカ <3.0.0.0>
3着 ピアノマン <0.2.1.0>
2018年
1着 エンパイアペガサス <6.1.0.2>
2着 チェリーピッカー <0.1.0.0>
3着 プリンスダム <1.0.1.9>
2017年
1着 ダイワエクシード <2.0.0.2>
2着 コミュニティ <3.2.3.7>
3着 プリンスダム <1.0.0.7>
2016年
1着 ナリタポセイドン <3.2.0.21>
2着 アントニオピサ <0.0.1.7>
3着 コミュニティ <3.2.1.7>
2015年
1着 ライズライン <2.0.0.1>
2着 コミュニティ <3.0.1.6>
3着 ブルースイショウ <0.0.0.4>
2014年
1着 ナムラタイタン <1.0.1.3>
2着 モズ <3.2.0.15>
3着 コミュニティ <1.0.0.5>
2013年
1着 モズ <1.1.0.13>
2着 ローレルカンタータ <0.0.0.2>
3着 トップチェッカー <0.0.1.1>

 ダート競馬の場合、2000m以上のレースは基本、重賞クラス。つまり2000m経験があるということは大舞台の経験がある―とほぼイコールとみていい。芝の場合は一概に言えないが、芝2000m以上を使うのは血統、体形などからステイヤーと関係者が判断したから。一昨年、優勝したジェイケイブラックは未勝利クラスだったが、芝2400m~芝2600m4回使われて3着1回。2021年も北上川大賞典へ出走し3着。この経験が生きた。エンパイアペガサスは3連覇の偉業を達成したが、それ以前に2000m以上で10勝マーク。ダート2500m以上で行われる北上川大賞典は距離経験が大きなファクターとなる。

○1番人気5勝、2番人気2勝、3番人気2勝

1着 2着 3着 勝率 連対率 複勝率
1番人気 5回 2回 1回 50% 70% 80%
2番人気 2回 2回 2回 20% 40% 60%
3番人気 2回 2回 4回 20% 40% 80%
4番人気 0回 2回 0回 0% 20% 20%
5番人気 1回 2回 1回 10% 30% 40%
6人気以下 0回 0回 2回

 1番人気の優勝はジェイケイブラック、エンパイアペガサス(2回)、ナリタポセイドン、ナムラタイタンの4頭(5回)。2番人気はエンパイアペガサス、ライズライン。3番人気はダイワエクシード、モズ。

 1番人気は勝率50%、連対率70%。2021年、1番人気に支持されたマツリダスティールは6着に沈んだが、勝ったのがエンパイアペガサス。2500mでは役者が違った。3番人気以上の優勝は10回中9回。ほぼ実力どおりに決着する長距離戦を象徴する数字。フロックではなかなか勝てない。

 5番人気で優勝したのは昨年のノーブルサターン。続いてトウケイニセイ記念、桐花賞と重賞3連勝。さらにシアンモア記念も制した年度代表馬。反省も込めて5番人気は低評価すぎた。

○各世代ともまんべんなく優勝

1着 2着 3着 優勝(全45回)
3歳 0回 1回 1回 0回
4歳 1回 1回 1回 8回
5歳 2回 2回 3回 11回
6歳 2回 1回 4回 8回
7歳 2回 5回 1回 12回
8歳 2回 0回 0回 3回
9歳 1回 0回 0回 3回

 昨年は9歳馬ノーブルサターンが優勝。通算3度目の9歳馬優勝を果たした。また2021年、マツリダスティールは1番人気に支持され、北上川大賞典で初の3歳馬優勝へ挑んだが、善戦及ばず6着。優勝は8歳馬エンパイアペガサス。過去10年で8歳馬が優勝したのは他にナムラタイタン。両馬とも種牡馬入りを果たした。5歳馬はエンパイアペガサス、ダイワエクシード。同様に6歳、7歳、8歳もそれぞれ2度優勝。各世代ともまんべんなく優勝している。参考までに全44回では7歳馬の優勝12回、5歳馬が11回と他世代を若干リードしている。

有力馬紹介

ノーブルサターン

牡10歳 父カジノドライヴ

板垣吉則きゅう舎・水沢

 中央4勝、南関東を経て一昨年に岩手入り。いきなりトウケイニセイ記念、桐花賞と重賞2連勝を飾り、シーズンを終了。昨年は赤松杯から始動し、シアンモア記念を完勝。その後は夏負けの影響もあり、一條記念みちのく大賞典7着、マーキュリーカップ10着後、3ヶ月ほど休養。復帰戦は5着にとどまったが、ひと叩きされて反応が一変。北上川大賞典を皮切りにトウケイニセイ記念、桐花賞と圧巻の重賞3連勝。満場一致で年度代表馬に選出された。

 今季も赤松杯から始動したが、4着に終わりシアンモア記念も3着止まり。4ヵ月半の休養に入り、9月20日に復帰。初戦をタイム差なし2着にまとめたが、すずらん賞は伸びを欠いて5着。案外の結果に終わった。敗因は年齢的なものか、仕上がりか。今回の北上川大賞典が真価を問われる一戦となった。

フレイムウィングス

セン7歳 父パイロ

酒井仁きゅう舎・水沢

 中央ダート2勝、川崎1勝・B1級から転入。いまだ未勝利ながら昨年は北上川大賞典2着、桐花賞2着、一條記念みちのく大賞典3着。マーキュリーカップで地方最先着6着に善戦した。今季は重賞・あすなろ賞3着が最高だったが、前走・すずらん賞で2着確保。距離が1800mへ延長されたのも好走要因だった。典型的なジリ脚タイプで勝ち味に遅いが、距離が長ければ長いほどいいタイプ。今回の北上川大賞典が千載一遇のチャンスかもしれない。

ライアン

牡5歳 父キングカメハメハ

佐藤浩一きゅう舎・水沢

 2歳時に重賞・平和賞(船橋)を制し、翌年は羽田盃で2着を確保した強豪。ただ3歳以降は勝ち星から見放され、障害3戦を経て転入。赤松杯2着、シアンモア記念4着から芝からダート変更の交流・せきれい賞へ駒を進めて快勝。3年ぶりの白星を手にした。続くかきつばた賞(盛岡ダート1600m)2着後、2ヶ月休養。復帰戦のすずらん賞は6着に終わったが、ひと叩きされて変わり身必至。

サクラトップキッド

牡3歳 父ビーチパトロール

伊藤和忍きゅう舎・水沢

 デビュー2連勝を飾ったが、以降は勝ち切れないレースが続いた。しかし東北優駿2着からやまびこ賞を快勝。待望の初タイトルを獲得し、JpnⅡ・不来方賞6着から青藍賞へ挑戦。初の古馬オープンが相手だったが、3着を確保。収穫の多い一戦となった。すずらん賞はスローにも泣いて7着止まりだったが、前走ヒロシクンに0秒3差4着。これで上昇ムードに乗り、負担重賞2キロ差のアドバンテージを生かす。

ライアン

牡5歳 父ディープインパクト

佐藤浩一きゅう舎・水沢

 2歳時6戦4勝、重賞・平和賞(船橋)を優勝。翌年も羽田盃で2着に健闘したが、以降は精彩を欠くレースの連続。今年1月、中央・障害3戦を使って転入。初戦の赤松杯2着、シアンモア記念4着から芝からダート変更の交流・せきれい賞を快勝。2歳以来の勝利を飾った。続くかきつばた賞2着から2ヶ月休養。すずらん賞は休養明けも影響して6着だったが、ひと叩きされて変わり身必至。

ゴールドギア

牡9歳 父ロードカナロア

伊藤和忍きゅう舎・水沢

 昨年5月、中央芝5勝オープンから転入。準重賞・かきつばた賞を制し、交流・せきれい賞2着などの成績から最優秀ターフホースの栄誉を獲得した。ダートは未勝利だが、一條記念みちのく大賞典3着、前走・すずらん賞3着など長距離なら上位を確保。昨年、北上川大賞典5着だったが、今年はさらに上を目指す。

マナホク

牡5歳 父トゥザワールド

佐藤雅彦きゅう舎・水沢

 北海道三冠すべてに出走して北斗盃3着、北海優駿3着、王冠賞5着。直後に岩手入りして、いきなり不来方賞を優勝した。続くダービーグランプリ12着後、南関東、門別と転籍。昨年11月に再転入した。今季はB2降格して3勝2着4回と安定した取り口を披露している。今回は2ヵ月半ぶりの実戦だが、牧場で乗り込まれて態勢万全。格負けは一切ない。