注目レース情報

第31回クラスターカップ(JpnⅢ)

盛岡競馬場 ダ 1200メートル2026/8/11(祝・火)

レースについて

○歴史

 クラスターカップは1996年、新盛岡競馬場=OROパーク開設を記念して創設された。当時、ダート短距離のレース体系は確立されていなかったが、徐々に整備。2001年にはJBCスプリント(JpnⅠ)が創設されるなどして、レース体系が確立した。

 それを裏付けるようにクラスターCを優勝し、後にJBCスプリントを制した競走馬はノボジャック(第1回JBC)を皮切りに、サウスヴィグラス、サマーウインド、タイセイレジェンド、ダノンレジェンド、ブルドッグボスの6頭。また2019年のヤマニンアンプリメはJBCレディスクラシックを優勝した(バンブーエールはJBCスプリントを勝った後、クラスターCも優勝)。

 2023年1、2着リメイク、ドンフランキーは中東へ遠征。リメイクはリヤドダートスプリント(サウジアラビア)を優勝し、ドバイ・ゴールデンシャヒーン4着。ドンフランキーもゴールデンシャヒーンに挑戦してリメイクに先着2着。さらに一昨年のドンフランキーはクラスターカップ後、ブリーダーズカップ・スプリントに直行。海外ダートスプリントへつながる道となった。

 また歴代優勝馬からノボジャック、サウスヴィグラス、バンブーエール、タイセイレジェンド、ダノンレジェンド、ブルドッグボス、マテラスカイ、リュウノユキナ、ドンフランキーが種牡馬入り。また2023年優勝リメイクはGⅢ・コリアスプリント2連覇を果たし、今年から韓国(済州島)で種牡馬生活を送っている。

昨年優勝馬 サンライズアムール

コースの特徴

○ダート1200m

例年「逃げ・先行馬に有利だが差し馬も決して不利ではない」と評価してきたが昨年は全体的には先行有利、3コーナー・4コーナーあたりで3番手以内にいた馬が勝つ結果が多かった。とはいえこれも例年書いてきたように少々ハイペースでも自力先行できるタイプ・あるいはその先行集団の直後を追走しつつ直線もしっかり伸び脚を発揮する先行差しタイプが強い距離なのは変わりない。枠の内外では、昨年は若干外枠が健闘した結果になったが基本的に大きな差が無く、フルゲート12頭時の大外枠でも気にしなくていい。

盛岡競馬場コース図

データ分析

○北海道SCが2024年から3歳・JpnⅢ変更により、路線も変わった

2025年
1着 サンライズアムール 水無月S①←天王山S⑪
2着 キャンディドライヴ 門別A①←JRA・3勝クラス⑩
3着 アドヴァンスファラオ 東海S⑯←栗東S⑥
2024年
1着 ドンフランキー ゴールデンシャヒーン②←フェブラリーS⑨
2着 クロジシジョー 東京スプリント②←千葉S④
3着 ケイアイドリー ゴールデンシャヒーン⑨←リヤドダートスプリント⑧
2023年
1着 リメイク プロキオンS②←ゴールデンシャヒーン⑤
2着 ドンフランキー プロキオンS①←京都グランドOP①
3着 リュウノユキナ 東京スプリント①←リヤドダートSP⑥
2022年
1着 オーロラテソーロ 松風月S①←天王山S②
2着 リュウノユキナ 北海道SC③←東京スプリント②
3着 ジャスティン 大和S①←根岸S④
2021年
1着 リュウノユキナ 北海道SC②←東京スプリント①
2着 サイクロトロン 東京スプリント⑧←千葉S⑨
3着 ヒロシゲゴールド 東京スプリント←千葉S⑤
2020年
1着 マテラスカイ 北海道SC②←サウジアC②
2着 ヒロシゲゴールド 京葉S①←すばるS⑬
3着 ブルドッグボス 浦和スプリントOP①←さきたま杯②
2019年
1着 ヤマニンアンプリメ 北海道SC①←かきつばた記念②
2着 ヒロシゲゴールド 天王山S⑨←東京スプリント③
3着 コパノキッキング 東京スプリント②←フェブラリーS⑤
2018年
1着 オウケンビリーヴ パーキングLC②←天王山S⑦
2着 ネロ きたま杯⑧←東京スプリント③
3着 ラブバレット 栗駒賞①←北海道SC②
2017年
1着 ブルドッグボス 習志野きらっとS③←天王山S⑤
2着 ラブバレット 岩鷲賞①←栗駒賞①
3着 サイタスリーレット 栗東S①←陽春S①
2016年
1着 ダノンレジェンド 北海道SC①←東京スプリント③
2着 ブルドッグボス かきつばた記念②←東京スプリント④
3着 ラブバレット 岩鷲賞①←栗駒賞①

 北海道スプリントカップ出走→クラスターC優勝は5頭。ダートスプリント路線の王道だったが、一昨年から3歳・JpnⅢ(門別1200m)へ変更。それに伴い、組み立ても変更しなければならない。ひとまず重要な路線は東京スプリント。2021年の1着馬から3着馬まで上位3頭が東京スプリントを使っていた。さらに2022年2着、2021年1着リュウノユキナは北海道SC←東京スプリントが定番だった。しかしJRAダート短距離馬はリヤドダートスプリント(サウジアラビア)、ドバイゴールデンシャヒーンが視界に入れるようになり、ローテーションに変化が見られる。リュウノユキナもリヤドダートスプリント、東京スプリントを使ってクラスターCへ参戦した。一昨年もドンフランキーはゴールデンシャヒーンから直行など、今後さらにその傾向が強まる可能性が高い。

○クラスターC=盛岡ダート1200mは内枠苦戦

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1着 2着 3着
1枠 1回 2回 0回
2枠 0回 0回 0回
3枠 2回 1回 1回
4枠 1回 2回 2回
5枠 3回 0回 1回
6枠 2回 1回 4回
7枠 0回 2回 1回
8枠 1回 2回 1回

 本来、これは馬番別でデータ分析するのがセオリーだが、年によって出走頭数が変わるだけではなく、数字が分散してしまい、傾向が見えなくなってしまう。粗いとは思いながら、あえて枠順別でデータを分析してみると枠順差がくっきり浮かんでくる。

 5枠3勝3着1回、6枠2勝2着1回3着4回、3枠2勝2着1回3着1回、8枠1勝2着2回3着1回。外枠は複数頭数が入るため、好走確率が高いのは間違いないが、推測できるのは真ん中から外枠の方が自分の競馬ができるから。過去5枠からドンフランキー、リメイク、リュウノユキナが優勝。6枠からマテラスカイ、ヤマニンアンプリメが優勝した。

 8枠は過去10年でオーロラテソーロ1頭だが、2013年にもラブミーチャンも優勝した。特に2022年は1着8枠⑬オーロラテソーロ、2着8枠⑭リュウノユキナ、3着7枠⑪ジャスティンと入り、オール外枠で決着した。逆に1番人気に支持されたダンシングプリンスは最内1番枠に入った上、脚を滑らせるアクシデント。結果4着に終わったが、続くJBCスプリント(盛岡)では好スタートを決めて見事雪辱を果たした。その時、1番人気レッドルゼルも最内1番枠に入り、出遅れて4着に敗れた。競馬は内有利が基本だが、盛岡1200m戦は両刃(もろは)。包まれる危険をはらんでいる。

 1番枠の優勝は2017年のブルドッグボス。2016年も1番枠から2着を確保したが、別格と考えたい。もう1頭の1番枠2着は2020年ジャスティン。マテラスカイが2番手に控え、好スタートから先手を楽に奪えた。仮にマテラスカイがハナを譲らなかったらどうだったか。これは最内枠を生かした結果だった。

 さらに昨年は3枠(4番)サンライズアムールが優勝。2018年オウケンビリーヴ以来の3枠優勝を果たしたが、高松亮騎手がハナを主張し、枠差を利したのが一番の勝因だった。

○優勝は4番人気以内―は不動

1着 2着 3着 勝率 連対率 複勝率
1番人気 5回 1回 2回 50% 60% 80%
2番人気 2回 2回 3回 20% 40% 70%
3番人気 2回 3回 1回 20% 50% 60%
4番人気 1回 2回 2回 10% 30% 50%
5番人気 0回 1回 2回 0% 10% 30%
6人気以下 0回 1回 0回

 昨年、一昨年は1番人気サンライズアムール、ドンフランキーが優勝。2023年は1番人気リメイク、2着2番人気ドンフランキー、3着3番人気リュウノユキナと人気どおりの決着。2022年は3番人気オーロラテソーロが優勝。2着に2番人気リュウノユキナ、3着4番人気ジャスティンだったが、1番人気ダンシングプリンス(1番枠)は出遅れるアクシデントがありながら4着に入線した。以上を含めて1番人気は優勝5回に加え、すべて4着以内を確保している。

 4番人気で優勝したのは2017年、浦和ブルドッグボスだが、後にJpnⅠ・JBCスプリントを制した実力馬。単勝人気はしっかりチェックしたい。

○優勝は5歳5回、6歳4回、4歳1回

1着 2着 3着
3歳 0回 0回 0回
4歳 1回 4回 2回
5歳 5回 2回 2回
6歳 4回 2回 2回
7歳 0回 2回 2回
8歳 0回 0回 2回

 過去10回中で5歳馬が優勝5回、6歳馬4回、4歳馬が優勝1回。経験値が大きくものを言うことを如実に表している結果になった。ダート短距離戦は特殊レース。ある程度以上のキャリアが必要となる。しかし2023年は4歳馬リメイク、ドンフランキーでワンツー・フィニッシュ。2024年は5歳ドンフランキーが前年2着から優勝した。さらに一昨年、ダート体系の整備に伴い、早い時期から短距離を使うケースが増加傾向。今後、若年化が進む可能性がある。

○ミスプロ系の天下に地殻変動あり

優勝
2025年 サンライズアムール 父モーリス(シルヴァーホーク系)
2024年 ドンフランキー 父ダイワメジャー(SS系)
2023年 リメイク 父ラニ(APインディ系)
2022年 オーロラテソーロ 父マリブムーン(APインディ系)
2021年 リュウノユキナ 父ヴァーミリアン(ミスプロ系)
2020年 マテラスカイ 父スパイツタウン(ミスプロ系)
2019年 ヤマニンアンプリメ 父シニスターミニスター(APインディ系)
2018年 オウケンビリーヴ 父クロフネ(ノーザンダンサー系)
2017年 ブルドッグボス 父ダイワメジャー(SS系)
2016年 ダノンレジェンド 父マッチョウノ(ホーリーブル系)
2015年 ダノンレジェンド 同上
2014年 サマリーズ 父ハードスパン(ノーザンダンサー系)
2013年 ラブミーチャン 父サウスヴィグラス(ミスプロ系)
2012年 タイセイレジェンド 父キングカメハメハ(ミスプロ系)
2011年 ドスライス 父スパイツタウン(ミスプロ系)
2010年 サマーウインド 父タイキシャトル(ヘイロー系)
2009年 バンブーエール 父アフリート(ミスプロ系)
2008年 プライドキム 父アフリート(ミスプロ系)
2007年 メイショウバトラー 父メイショウホムラ(ネヴァーベンド系)
2006年 アグネスジェダイ 父アグネスワールド(ノーザンダンサー系)
2005年 エンゲルグレーセ 父プラウドデボネア(ノーザンダンサー系)
2004年 シャドウスケイプ 父フォーティナイナー(ミスプロ系)
2003年 ディバインシルバー 父シルバーデピュティ(ノーザンダンサー系)
2002年 サウスヴィグラス 父エンドスウィープ(ミスプロ系)
2001年 ノボジャック 父フレンチデピュティ(ノーザンダンサー系)
2000年 ゴールデンチェリー 父クラフティプロスペクター(ミスプロ系)
1999年 アブクマレディー 父ホスピタリティ(テューダーミンストレル系)
1998年 ファーストアロー 父エブロス(ミスプロ系)
1997年 トシヴォイス 父シルヴァーヴォイス(ノーザンダンサー系)
1996年 トキオクラフティー 父クラフティプロスペクター(ミスプロ系)

 2020年、ミスプロ系マテラスカイが優勝。7年ぶりにミスプロ系優勝をもたらし、翌年もミスプロ系ヴァーミリアン産駒リュウノユキナが優勝した。さすがダート短距離での強さは特筆もの。過去30回でミスプロ系の優勝は12頭。対してSS(サンデーサイレンス)系は一昨年のドンフランキー、2017年のブルドッグボスの2頭のみ。広義でヘイロー系はサマーウインドが優勝しているが、マーキュリーカップとは正反対の結果というのも興味深い。

 そして近年、ダート界で多くの活躍馬を出しているAPインディ系。2023年はリメイク、2022年オーロラテソーロ、2019年はヤマニンアンプリメが優勝した。APインディ系は中距離以上のイメージがあったが、最近は短距離馬の活躍も目につくようになってきた。

 余談だが、昨年の覇者サンライズアムールの父モーリスはスクリーンヒーロー→グラスワンダー→シルヴァーホーク→ロベルトとさかのぼり、クラスターCでは異種サイアー。さらに母父もタイキシャトル。奇しくも両馬は海外も含め、現役時代は最強マイラーで鳴らした歴史的強豪。終わってみれば納得の結果だった。