注目レース情報

第44回ダイヤモンドカップ(M1)

盛岡競馬場 ダ 1800メートル2024/5/5(日祝) 11R 18:05発走

レースについて

○歴史

 創設は1981年。第5回までは3歳重賞(水沢1800m)で行われたが、1986年以降は3歳特別で実施。2000年から再び重賞へ格上げされ、2006年“ダービーウィーク”(当時)のスタートにより、ダイヤモンドカップは「岩手ダービーダイヤモンドカップ」へ名称変更。岩手クラシック一冠目に位置付けられた。

 2019年、三冠体系の見直しを図り、一冠目が「東北優駿(岩手ダービー)」、二冠目「ダイヤモンドカップ」、三冠目「不来方賞」に路線変更されたが、2020年に再構築。三冠の実施時期を従来より1ヵ月ほど早め、一冠目・ダイヤモンドカップ→二冠目・東北優駿(岩手ダービー)→三冠目・不来方賞が新三冠となった。

 しかし今年は『全日本的なダート競走の体系整備』がスタート。それに伴い、三冠目・不来方賞はJpnⅡに昇格。新設のJpnⅠ・ジャパンダートクラシックのトライアル競走となった。さらにダイヤモンドカップはJpnⅠ・東京ダービーの指定競走へ移行して東日本交流へ枠を拡大。1着賞金が800万円から1000万円へ昇給し、距離も前年、盛岡ダート1600mから盛岡ダート1800mへ変更された。過去、ダイヤモンドカップが東日本交流で実施されたことがなく、連動してデータも白紙。今回のデータは、あくまでも参考としてご覧になってほしい。

昨年優勝馬 ミニアチュール

コースの特徴

○ダート1800m

スタンド前の左手、直線の坂の登り口付近からスタート。1コーナーまで300mほどと短いこともあって先行争いがさほど激化せず、ペースは落ち着きやすい。基本は先行タイプに有利な距離と見ていいだろう。ただ、近年はレース数が少なく昨年の実施は6レース、うち4つが重賞だった。今年も重賞5戦・準重賞1戦が予定されている。上位クラスの戦いが多くなるだけに脚質よりは力量を重視したい。

盛岡競馬場コース図

データ分析

○トライアル・スプリングカップとの連動性はあるのか?

2020年
1着 フレッチャビアンカ →2着
2着 マルケイヘイロー →10着
3着 レールガン →7着
4着 エネルギヤ →不出
5着 ヒガシブレーヴ →12着
2021年
1着 リュウノシンゲン →1着
2着 ファイントリック →不出
3着 グランフォロミー →6着
4着 アイノエスポワール →5着
5着 サンエイマジック →3着
2022年
1着 クロールキック →不出
2着 グットクレンジング →1着
3着 リュウノガルシア →不出
4着 サンエイブレーヴ →4着
5着 マルルットゥ →不出
2023年
1着 ミニアチュール →1着
2着 リッキーナイト →2着
3着 スノーパトロール →3着
4着 ペルトラン →8着
5着 サンカプリス →不出

 2019年、ダイヤモンドカップは距離が2000mから1600mへ短縮。ただ当時は二冠目で8月に行われ、一昨年から5月に実施。昨年は4月30日に実施されたが、舞台が水沢から盛岡ダート1600mへ移行した。2000年から岩手クラシック一冠目に位置付けられ、今年で5年目を迎える。

 2000年はトライアル・スプリングカップからダイヤモンドカップのローテーションで5着以内に入ったのはフレッチャビアンカの1頭のみ。ほかはすべて着外に沈んだ。

 2021年はスプリングカップ1着馬リュウノシンゲンが優勝。続く東北優駿も制し、2冠を達成したが、トライアル入着組で馬券対象となったのは5着だったサンエイマジックの3着。  昨年は1着クロールキックは脚部不安のため長期休養。替わって2着馬グットクレンジングが優勝し、続く東北優駿(岩手ダービー)も制して二冠を獲得した。ただ3着リュウノガルシアは不出(金沢へ転籍)、5着マルルットゥは牝馬路線へ向かった。

 そして昨年は2016年以来、久しぶりに盛岡(1600m)を舞台に行われたが、スプリングC1、2、3着馬がダイヤモンドカップでも同じく1、2、3着。まさにトライアルが直結するレースとなった。

 ただし今年は盛岡ダート1800mへ距離延長。東日本交流に枠が拡大され、スプリングCがどう連動するか興味深い。

○ダイヤモンドカップの優勝ポジションは4番手以内

2019年 ダイヤモンドカップ(8月18日)
(各コーナーの位置)
1着 パンプキンズ 1.1.1.1
2着 リュウノボサノバ 3.3.3.2
3着 ヒノキブタイ 2.2.2.3
2020年 ダイヤモンドカップ(5月3日)
1着 グランコージー 1.1.1.1
2着 フレッチャビアンカ 6.6.2.2
3着 リュウノチョッパー 5.5.4.3
2021年 ダイヤモンドカップ(5月2日)
1着 リュウノシンゲン 2.2.1.1
2着 ゴールデンヒーラー 3.3.2.2
3着 サンエイマジック 7.7.4.3
2022年 ダイヤモンドカップ(5月1日)
1着 グットクレンジング 4.4.2.1
2着 フォルエルドラド 3.3.3.2
3着 フェルゼンハント 2.2.1.2
2023年 ダイヤモンドカップ(4月30日)
1着 ミニアチュール 3.1
2着 リッキーナイト 6.6
3着 スノーパトロール 2.1

 ダイヤモンドカップは2019年から距離が1600mに短縮され、2年連続で逃げ切り勝ち。一昨年はリュウノシンゲンは2番手の競馬だったが、逃げ馬シエルグリーンがいたから。それでも3コーナー手前で先頭に立ってそのまま押し切った。昨年はミニアチュールが3番手から4角先頭に立ち、そのまま押し切ったが、最後はリッキーナイト3/4馬身、スノーパトロール、クビ差まで肉薄された。最大理由はコース替わり。ミニアチュールは盛岡コース未経験で輸送競馬も初めて。もちろん上り坂も経験がなく、坂を昇ったあたりで脚いろが怪しくなった。それでも優勝をモノにするのが底力。先行力があるのも大きかったに違いない。

○1番人気は9勝2着1回、勝率90%、連対率100%!

1着 2着 3着 勝率 連対率 複勝率
1番人気 9回 1回 0回 90% 100% 100%
2番人気 1回 2回 3回 10% 30% 60%
3番人気 0回 4回 2回 0% 40% 60%
4番人気 0回 1回 2回 0% 10% 30%
5番人気 0回 1回 1回 0% 10% 20%
6人気以下 0回 1回 2回  

 過去10年、1600mを舞台に行われたダイヤモンドカップは近5年。参考にはならないでしょうが、距離を問わずダイヤモンドカップをキーワードにした過去10年のデータです。1番人気は9勝2着1回。勝率90%、連対率100%を誇り、3年連続で1番人気で優勝しました。また2番人気の優勝は2020年のグランコージーでしたが、1番人気に支持されたフレッチャビアンカは2着を確保しました。過去10年の優勝馬はすべて1、2番人気。単勝人気は必ずチェックしてください。

有力馬紹介

フジユージーン

牡3歳 父ゴールデンバローズ

瀬戸幸一きゅう舎・水沢

 デビュー戦の850mを2秒2差で圧勝。能力の違いをまざまざと見せつけた。以降も圧勝に次ぐ圧勝で5戦5勝。ビギナーズカップを皮切りに、新設重賞・ネクストスター盛岡、地方競馬全国交流・南部駒賞と重賞3連勝。文句なしに2歳最優秀馬に選出された。今季はスプリングカップから始動。5ヵ月ぶりの実戦を問題にせず、2着サクラトップキッドに2秒4差で圧勝。過去最大の着差で好発進を決め、さらにスケールしたことをアピールした。もちろん余裕残しでの結果。ひと叩きされてダイヤモンドカップは当初の予定どおり。今度は東日本交流だが、フジユージーンには単なる通過点。遠征馬を一蹴し、自身の連勝を7に伸ばす。

パンセ

牡3歳 父ゴールデンアクター

高月賢一きゅう舎・川崎

 昨年、デビュー戦を快勝し、以降も2着2回3着3回。重賞でも若武者賞2着、鎌倉記念3着に好走した。今年は1月から始動。6頭立て1番人気に支持されて2番手を追走し、4角で先頭に立ったが、いきなり内側へ斜行。口向きの悪さを見せて5着。その後も9、11着に凡走したが、地力は2歳時に証明済み。レースに集中できれば反撃に転じて当然。

オオイチョウ

牡3歳 父ゴールデンバローズ

小国博行きゅう舎・門別

 出走取り消し後の2歳新馬戦を快勝。続く一戦で3着後、芝へ2連続挑戦。JRA札幌・クローバー賞7着、盛岡・ジュニアグランプリ8着に終わったが、船橋遠征・平和賞で3着確保。ダートに戻って本来の動きを取り戻した。その後は半年の休養に入り、地元で復帰。2番手追走から直線失速2秒2差4着に終わったが、深追いと久々も敗因。ひと叩きされて巻き返し必至。

エドノバンザイ

牡3歳 父ドレフォン

宇野木博徳きゅう舎・浦和

 過去8戦4勝3着2回。ニューイヤーカップ9着、ネクストスター東日本8着と重賞では歯が立たなかったが、完成度の高さに定評がある。遠征前の浦和1400m戦もあっさり逃げ切って完勝。軌道修正に成功した。どんな流れにも対応できる器用さもあり、左回りの盛岡コースも望むところ。

サクラトップキッド

牡3歳 父ビーチパトロール

伊藤和忍きゅう舎・水沢

 デビュー2連勝を飾り、重賞路線へ殴り込み。南部駒賞5着、寒菊賞4着、金杯3着と一戦ごとに着順をあげてシーズンを終了。今季はスプリングカップから始動し、道中で首を上げて追走に手こずりながらも2着を死守。能力の片りんをのぞかせた。今度は得意の盛岡戦。遠征馬は強力だが、地の利を生かして次位を確保する。

サンエイキャノン

牡3歳 父パイロ

佐藤浩一きゅう舎・水沢

 デビュー戦の盛岡芝1000mは7着に終わったが、2戦目3着から2連勝。パイロ産駒が本領を発揮したが、昨最終戦8着。メンタル面で課題を残したが、ひと冬を越して初戦を0秒8差で圧勝。成長をアピールした。スプリングカップは3着だったが、2着とはアタマ差。相手候補の一角は動かない。