注目レース情報

第20回トウケイニセイ記念M2

水沢競馬場 ダ 1600メートル2021/12/5(日)

レースについて

○歴史

 43戦39勝2着3回3着1回。岩手競馬史に残る“伝説の名馬”トウケイニセイを冠名とした「トウケイニセイ記念」の創設は2000年。第1回、第5回は12月に実施されたが、ほかはレギュラーシーズン最終週に行われ、岩手競馬を締めくくるフィナーレ重賞として定着した。今年は2004年度(第5回)以来の12月実施。さらに12月6日は史上最も早い実施日となった。

 第3回から第5回までトニージェントが3連覇の偉業を達成。第7回、第8回はテンショウボスが2連覇を果たしたが、以降は連覇達成馬が誕生していない。また2020年度(2021年1月11日)、2019年度は休止となった。
*テータを統一するため表記は実施年ではなく、年度で表記しました。

昨年優勝馬 センティグレード号

コースの特徴

○ダート1600m

 4コーナーのポケットからスタートしカーブを切りながら4コーナーに入るコース形態から昔から「内枠有利」と言われてきた。実際、過去5年の勝率でも最内にあたる1番がトップをキープしているだけでなく内枠の馬番が上位を占めている。

 しかし近年は外枠の存在感が増し、フルゲートの際の8枠にあたる11番や12番からの勝馬も決して少なくはない。もちろん内枠有利の傾向は変わらないにせよ外枠にも目を向けておきたい。

水沢競馬場コース図

データ分析

ミスプロ系が圧倒的優位

トウケイニセイ記念
2019年度(2020年度は休止)
1着 センティグレード 父パイロ(APインディ系)
2着 ブルージェット 父ベーカバド(ノーザンダンサー系=ND)
3着 スカイサーベル 父ディープスカイ(サンデーサイレンス系=SS)
2017年度(2018年度は休止)
1着 タイセイファントム 父ファンタスティックライト(ブラッシンググルーム系)
2着 ワットロンクン 父クロフネ(ND系)
3着 アントニオピサ 父タニノギムレット(ロベルト系)
2016年度
1着 ミラクルフラワー 父プリサイスエンド(ミスタープロスペクター系=ミスプロ系)
2着 アントニオピサ 父タニノギムレット(ロベルト系)
3着 ナリタスーパーワン 父ウォーエンブレム(ミスプロ系)
2015年度
1着 ラブバレット 父ノボジャック(ND系)
2着 エーシンシャラク 父タイキシャトル(ヘイロー系)
3着 ワットロンクン 父クロフネ(ND系)
2014年度
1着 キモンレッド 父サウスヴィグラス(ミスプロ系)
2着 ライズライン 父スクリーンヒーロー(ロベルト系)
3着 クロワッサン 父フサイチレオン(ミスプロ系)
2013年度
1着 ドリームクラフト 父アグネスデジタル(ミスプロ系)
2着 エバーオンワード 父スターリングローズ(ミスプロ系)
3着 スーブルソー 父ネオユニヴァース(SS系)
2012年度
1着 ティムガッド 父サザンヘイロー(ヘイロー系)
2着 スーパーワシントン 父エイシンワシントン(ダマスカス系)
3着 コパノマユチャン 父プリサイスエンド(ミスプロ系)
2011年度
1着 ヒカルジョディー 父トワイニング(ミスプロ系)
2着 リリーレインボー 父マイネルラヴ(ミスプロ系)
3着 シャイニーハリアー 父ヘクタープロスペクター(ミスプロ系)
2010年度
1着 リュウノキングダム 父スキャターザゴールド(ミスプロ系)
2着 ゴールドマイン 父ダンスインザダーク(SS系)
3着 マヨノエンゼル 父キャプテンスティーヴ(ダマスカス系)
2009年度
1着 マヨノエンゼル 父キャプテンスティーヴ(ダマスカス系)
2着 ゴールドマイン 父ダンスインザダーク(SS系)
3着 アンダーボナンザ 父スキャン(ミスプロ系)
白嶺賞(2012年度、重賞昇格後)
2019年度(2020年度は休止)
1着 エンパイアペガサス 父エンパイアメーカー(ミスプロ系)
2着 ヤマショウブラック 父ルースリンド(ミスプロ系)
3着 アドマイヤメテオ 父キングカメハメハ(ミスプロ系)
2018年度
1着 ロジストーム 父アンブライドルズソング(ミスプロ系)
2着 タイセイファントム 父ファンタスティックライト(ブラッシンググルーム系)
3着 スカイロックゲート 父ヴァーミリアン(ミスプロ系)
2017年度
1着 イーグルカザン 父イーグルカフェ(ミスプロ系)
2着 ワットロンクン 父クロフネ(ND系)
3着 タイセイファントム 父ファンタスティックL(ブラッシンググルーム系)
2015年度(2016年度は休止)
1着 ワットロンクン 父クロフネ(ND系)
2着 エーシンシャラク 父タイキシャトル(ヘイロー系)
3着 スフィンクス 父リンカーン(SS系)
2014年度
1着 ライズライン 父スクリーンヒーロー(ロベルト系)
2着 クロワッサン 父フサイチレオン(ミスプロ系)
3着 キモンレッド 父サウスヴィグラス(ミスプロ系)
2013年度
1着 ドリームクラフト 父アグネスデジタル(ミスプロ系)
2着 ランドオウジ 父ゴールドアリュール(SS系)
3着 スズヨシーズン 父カコイーシーズ(レイズアネイティヴ系)
2012年度
1着 クレムリンエッグ 父スノーリッジ(ストームキャット系)
2着 コパノマユチャン 父プリサイスエンド(ミスプロ系)
3着 シャイニーハリアー 父ヘクタープロスペクター(ミスプロ系)

 今年度の岩手競馬・古馬ダート部門でいくつかの変更点があるが、トウケイニセイ記念の実施日が1ヵ月ほど早くなった。それに伴い、白嶺賞は休止となったが、トウケイニセイ記念が12月6日に行われることにより、有力馬のローテーションも変わる。一つの例で言えば桐花賞出走組がフィナーレ重賞・トウケイニセイ記念も出走するケースは少なくなかったが、今年度は逆にトウケイニセイ記念→桐花賞のローテーション組も少なくないはず。

 またマイラーは白嶺賞→トウケイニセイ記念が基本路線だったが、今年度はトウケイニセイ記念が最終目標となった。

 日程変更により、データも単純にトウケイニセイ記念のみを取り上げる訳にはいかなくなった。この時期に該当するのは今年休止した重賞・白嶺賞。まずは共通するデータを探ってみた。

 注目したのはサイアーライン(父方)だが、興味深いデータが出てきた。ミスタープロスペクター(ミスプロ)系の活躍ぶりがすばらしかった。トウケイニセイ記念では5勝2着2回3着5回。2011年度は1着から3着までを独占した。

 また白嶺賞でも過去7回で4勝2着3回3着4回。こちらでも2019年度は1着~3着を独占した。

 共通しているのは舞台が水沢1600m。これまでのデータでも気づいたことだが、水沢マイル以下の重賞ではミスプロ系が圧倒的に強い。盛岡でもクラスターカップはミスプロ系が優位だが、南部杯、マーキュリーカップになるとサンデーサイレンス(SS)系が強いのは、単なる偶然ではないだろう。

 結論は“平坦マイルはミスプロ系に注目”。

白嶺賞は1番人気3勝、6番人気以下2勝 トウケイニセイ記念は6番人気以下3勝

白嶺賞
1着 2着 3着 勝率 連対率 複勝率
1番人気 3回 0回 3回 43% 43% 86%
2番人気 1回 2回 0回 14% 43% 43%
3番人気 0回 2回 0回 0% 28% 28%
4番人気 1回 1回 1回 14% 28% 43%
5番人気 0回 1回 1回 0% 14% 28%
6人気以下 2回 1回 2回      
トウケイニセイ記念
1着 2着 3着 勝率 連対率 複勝率
1番人気 3回 3回 2回 30% 60% 80%
2番人気 3回 2回 2回 30% 50% 70%
3番人気 1回 1回 3回 10% 20% 50%
4番人気 0回 1回 1回 0% 10% 20%
5番人気 0回 1回 0回 0% 10% 10%
6人気以下 3回 2回 2回      

 白嶺賞は過去7回のデータ。1番人気は3勝3着3回。馬券対象から外れたのは一度のみで複勝率85・7%と馬券対象としては信頼度は高い。その一方で6番人気以下の優勝は2017年イーグルカザン(6番人気)、クレムリンエッグ(10番人気)の2回。どちらも高配当が飛び出した。

 トウケイニセイ記念にもほぼ同じことが言えるが、2番人気も優勝3回。1、2番人気はある程度、期待に応えているが、6番人気の優勝は過去3回。2013年ティムガット(8番人気)、2012年ヒカルジョディー(10番人気)、2011年リュウノキングダム(7番人気)。両レースに言えるのは大きく荒れるか、本命サイド決着か極端な結果となっている。

高齢馬も頑張っています

白嶺賞
1着 2着 3着
3歳 1回 1回 0回
4歳 1回 1回 1回
5歳 1回 0回 2回
6歳 1回 2回 1回
7歳 2回 2回 0回
8歳 0回 0回 2回
9歳 1回 0回 1回
10歳 0回 1回 0回
トウケイニセイ記念
1着 2着 3着
3歳 1回 1回 0回
4歳 2回 0回 3回
5歳 2回 3回 3回
6歳 1回 3回 2回
7歳 1回 2回 2回
8歳 2回 0回 1回
9歳 1回 1回 0回

 年齢別による1~3着馬のデータだが、トウケイニセイ記念は年明けに行わるため、1歳加算される。ただ今回に限り、白嶺賞とトウケイニセイ記念を対比するため12月時点での年齢で統一しました。

 特徴的なのは3歳馬から9歳馬までまんべんなく優勝馬が出ていること。桐花賞は3歳馬が通算11回優勝。過去10回でも4回優勝しているのに対し、両レースとも1頭のみ。1600m戦は高齢でも活躍していることを意味する。マイル戦は適性重視がベターのようだ。

逃げか、追い込みか。驚くべきデータ

白嶺賞
1着 2着 3着
逃げ 3回 0回 1回
先行 0回 4回 1回
差し 2回 3回 2回
追込 2回 0回 3回
トウケイニセイ記念
1着 2着 3着
逃げ 4回 2回 0回
先行 0回 3回 1回
差し 3回 4回 9回
追込 3回 1回 0回

 おそらく岩手競馬ダートでこのようなデータはまずないだろう。ダート競馬の理想脚質は先行だが、両レースも先行タイプの優勝馬は1度もない。それに対し、逃げ切りが白嶺賞3回、トウケイニセイ記念4回。これは想定内だが、追い込みも白嶺賞2回、トウケイニセイ記念3回には驚いた。水沢は1周1200m平坦の小回り。重賞でこの戦法が決まるのは凄いこと。

 考えるのは展開。先行ペースになれば逃げ切りが決まり、ハイペースになれば追い込みが決まるいうこと。もう一つは冬期間の水沢は馬場凍結対策として融雪剤が撒かれ、オールウェザーのような粘土質の砂になる。海外でもそうだが、オールウェザーの馬場は芝馬向きになるケースが多く、追い込みも決まる。

 結論は“展開をより重視。芝馬もチェック”。