注目レース情報

第25回マーキュリーカップJpnⅢ

盛岡競馬場 ダ 2000メートル2021/7/20(火) 10R 16:50発走

レースについて

○歴史

 マーキュリーカップはOROパークが完成した翌年、1997年に創設された。当時、水沢初のダートグレード競走で話題を呼び、第2回はメイセイオペラが第1回覇者パリスナポレオン相手に7馬身差で圧勝。後に南部杯、フェブラリーステークス、帝王賞とG(Jpn)Ⅰを3勝する礎(いしずえ)を築く記念すべき優勝となった。2017年からメイセイオペラ記念の副称が付記されたのは、以上の背景による。

 第4回から舞台は盛岡ダート2000mへ替わり、現在に至っているが、オースミジェットは第3回を水沢、第4回を盛岡で連覇。同一レースでは非常に珍しい連覇となった。  メイセイオペラのほかにマーキュリーC優勝後、G(Jpn)Ⅰを制したのは15回ゴルトブリッツ(帝王賞)、第21回、22回を連覇したミツバ(川崎記念)の2頭。また第19回は大井代表ユーロビートが圧勝。メイセイオペラ以来、史上2頭目の地方所属馬優勝を果たした。

 昨年はアメリカ二冠で健闘したマスターフェンサーが重賞初制覇。岩手勢ではランガディアが3着に健闘。2001年、トーホウエンペラー以来、同レースで馬券対象となった。

昨年優勝馬 マスターフェンサー号

コースの特徴

○ダート2000m

 2コーナー直後からスタートして先行争いは向こう正面一杯を使うが、流れは意外に落ち着きやすい。

 注意すべきは馬番よりも人気。過去5 年間では5番人気以下からの優勝がなく、連対率にしても1番人気のそれが72.2%という人気上位が強い条件だ。

 今季この距離を使用するのは3つのM1重賞のみ。いずれもそれぞれの時期の総決算的なレースでもあり、人気上位馬が強い傾向は引き続き変わりがないだろう。

盛岡競馬場コース図

データ分析

平安S、アンタレスS、ブリリアントS出走組に注目

2020年
1着マスターフェンサー←スレイプニルS②←ブリリアントS②
2着デルマルーヴル←フェブラリーS⑬←川崎記念③
3着ランガディア←みちのく大賞典①←シアンモア記念①
2019年
1着グリム←アンタレスS②←名古屋大賞典①
2着ノーブルサターン←アハルテケS③←ブリリアントS⑫
3着テルペリオン←スレイプニルS①←ブリリアントS⑧
2018年
1着ミツバ←平安S④←アンタレスS②
2着ヨシオ←マリーンS④←大沼S②
3着フェニックスマーク←ブリリアントS①←アレキサンドライトS①
2017年
1着ミツバ←ブリリアントS①←アンタレスS⑪
2着ピオネロ←平安S④←名古屋大賞典②
3着クリノスターオー←平安S⑭←コリアC②
2016年
1着ストロングサウザー←平安S⑨←ダイオライト記念⑥
2着タイムズアロー←京成盃グランドM④←かしわ記念⑥
3着マイネルバイカ←ダイオライト記念⑤←佐賀記念④
2015年
1着ユーロビート←帝王賞④←大井記念②
2着ソリタリーキング←平安S←ブリリアントS②
3着トウショウクリーク←アンタレスS⑮←マーチS⑧
2014年
1着ナイスミーチュー←平安S⑥←ダイオライト記念⑦
2着クリソライト←大沼S⑪←ブリリアントS④
3着シビルウォー←帝王賞⑤←ブリリアントS⑩
2013年
1着ソリタリーキング←平安S⑨←アンタレスS④
2着シビルウォー←JCダート⑨←JBCクラシック②
3着グランドシチー←マーチS①←仁川S③
2012年
1着シビルウォー←帝王賞④←東海S⑥
2着グランドシチー←大沼S②←ブリリアントS②
3着フリソ←大沼S←アハルテケS⑨
2011年
1着ゴルトブリッツ←東海S⑤←アンタレスS①
2着メイショウタメトモ←フェブラリーS⑬←川崎記念②
3着パワーストラグル←大沼S←エスペランサS⑩
過去10年の所属先(左から2020年→2011年)
1着 西・西・西・西・東・大・西・西・東・西
2着 東・西・西・西・船・西・西・東・東・西
3着 岩・西・東・西・西・西・東・東・東・東

*西=栗東所属 東=美浦 大=大井 船=船橋 岩=岩手

過去11年~20年
1着 西・西・西・東・西・東・西・東・東

 まず目につくのは平安S出走組。同レースは2012年まで実施時期が1月だったが、2013年から5月へ移行。距離も京都ダート1800mから1900mへ延長。さらに今年は左回り・中京ダート1900mで行われ、よりマーキュリーCへ直結するレースとなった。

 平安Sで上位確保ならベターだが、着順はあまり気にしなくていい。平安Sを使ってきたことが大事。マーキュリーCで好走パターンが多い。

 続いてアンタレスS出走組も要チェック。アンタレスSから直行、または一つレースをはさんでもアンタレスSもマーキュリーCとの連動性は高い。

 ブリリアントS出走組も見逃せない。昨年のマスターフェンサーはブリリアントS2着、スレイプニルS2着から優勝。2017年、ミツバが1回目制覇もブリリアントS1着から。理由は東京ダート2100mと盛岡ダート2000mのコース形態が似ているため。ほかにも上位確保した馬がブリリアントSを使っていたケースは少なくない。同じ条件のスレイプニルSもつながりは強い。

 もう一つチェックすべきなのは休み明け実績。一昨年まで3ヵ月以上の休養から、いきなりマーキュリーCを制したケースはなかったが、昨年のグリムはアンタレスS(4月14日)からぶっつけで臨み、2馬身差で完勝した。

 ほかでは2015年、トウショウクリークがアンタレスSから3着。2013年、シビルウォーはJCダート9着以来から2着、グランドシチーはマーチS1着から3着。2011年、メイショウタメトモ、昨年のデルマルーヴルはフェブラリーSから2着を確保した。休み明けは基本割り引きだが、状態次第では上位を確保できる。

大荒れるか、順当か。マーキュリーカップは極端

1着 2着 3着 単勝率 連対率 複勝率
1番人気 5回 0回 2回 50% 50% 70%
2番人気 2回 4回 0回 20% 60% 70%
3番人気 0回 4回 1回 0% 40% 50%
4番人気 2回 1回 3回 20% 30% 60%
5番人気 0回 1回 2回 0% 10% 30%
6人気以下 1回 1回 2回      

 1番人気の優勝は5回。昨年のマスターフェンサー、一昨年グリム、4年前はミツバが1番人気で優勝。また2010年のカネヒキリ(今回はデータ外)からゴルトブリッツ、シビルウォーと3年連続で1番人気が優勝し、一見すると人気サイドで決着しているのように映る。

 しかし2013年から2016年まで1番人気で馬券対象となったのは2013年のグランドシチー3着が最高。

 2015年はユーロビート(6番人気)→ソリタリーキング(3番人気)→トウショウクリーク(5番人気)の順で入線し、3連単11万2860円。

 翌年もストロングサウザー(2番人気)→タイムズアロー(9番人気)→マイネルバイカ(5番人気)で3連単が17万9810円と2年連続で超万馬券が飛び出した。

 また2019年は1番人気→4番人気→3番人気で馬単1800円、3連単3690円。2018年は2番人気→4番人気→1番人気で馬単1530円、3連単3320円。昨年も1番人気→3番人気→6番人気(ランガディア)と入り、3連単5860円。組み合わせ次第で、ソコソコ配当がついている点もつけ加えておきたい。

過去10年→過去5年の世代別上位馬に地殻変動あり

1着 2着 3着
4歳 3回 2回 1回
5歳 2回 3回 2回
6歳 3回 2回 3回
7歳 2回 0回 2回
8歳 0回 3回 1回
9歳 0回 0回 1回

 過去10年は4~7歳馬が優勝。2、3着も同様だが、8歳馬が2着3回。3着は4歳から9歳までまんべんなく出ている。しかし、過去5年のデータになると様相が変わる。

1着 2着 3着
4歳 2回 1回 1回
5歳 2回 2回 1回
6歳 1回 1回 1回
7歳 0回 0回 1回
8歳 0回 0回 0回
9歳 0回 0回 0回

 昨年は1着マスターフェンサー(4歳)、2着デルマルーヴル(4歳)、3着ランガディア(6歳)。一昨年はグリム(4歳)→ノーブルサターン(5歳)→テルペリオン(5歳)。3年前はミツバ(6歳)が優勝したが、これはコース相性の良さもあっての2連覇。しかし2着ヨシオ(5歳)、3着フェニックスマーク(4歳)と近5年に限ると上位馬の若さが顕著となっている。果たして7歳以上の巻き返しがあるか。今年の焦点の一つとなる。

58キロ克服に挑むマスターフェンサー

2020年 トップハンデ57キロ デルマルーヴル2着
2019年 56キロ グリム1着
2018年 57キロ マイネルバサラ5着
2017年 56キロ クリノスターオー3着
2016年 58キロ ソリタリーキング7着
2015年 58キロ ソリタリーキング2着
2014年 59キロ クリソライト2着
2013年 58キロ シビルウォー2着
2012年 57キロ シビルウォー1着
2011年 55キロ ゴルトブリッツ1着
  55キロ パワーストラグル3着
*2010年 59キロ カネヒキリ1着

 過去10年でトップハンデを背負った結果は3勝2着3回2回。ハンデは強さの証と言われるが、それを裏付けている印象もある。しかし、58キロ以上を背負って優勝したのはデータ外の2010年カネヒキリ(59キロ)1頭のみ。

 同じくクリソライトが59キロで2着を確保したが、翌年は7着。また昨年のグリムは56キロを背負って1着、ゴルトブリッツは55キロで優勝したが、これをトップハンデと言っていいのかどうか。

 むしろ58キロを背負っても参戦するケースが少なくなっているのがマーキュリーカップの特徴。2016年、ソリタリーキングを最後に負担重量58キロはなくなったが、今年マスターフェンサーが58キロを背負って連覇を狙う。

有力馬紹介

マスターフェンサー

牡5歳 父ジャスタウェイ

角田晃一きゅう舎(栗東)

 デビュー3戦目から2連勝を飾り、続く2戦4、2着からダート競馬の総本山であるアメリカ・クラシック二冠へ挑戦。ケンタッキーダービー6着、ベルモントステークス5着に健闘した。渡米3戦目ベルモントダービー13着から帰郷後、5ヵ月休養。2勝マークして晴れてオープン入りを果たし、ブリリアントステークス2着、スレイプニルステークス2着からマーキュリーカップへ参戦。1番人気に応えて豪快なまくりを決めて完勝。待望のグレードタイトルを獲得した。

 以降も白山大賞典(金沢)、名古屋大賞典(JpnⅡ)と重賞3連勝を飾り、4歳シーズンを終了。

 今年はダイオライト記念(船橋 JpnⅡ)から始動。1番人気に支持されたが、伸びを欠いてダノンファラオの4着。2ヵ月休養後の平安ステークスも11着に終わった。

 しかし今回はコース適性を実証済みの盛岡ダート2000mが舞台。トップハンデ58キロを背負うが、2連覇を成し遂げて反撃ののろしを上げたいところだろう。

ヒストリーメイカー

牡7歳 父エンパイアメーカー

新谷功一きゅう舎(栗東)

 中央2戦0勝から金沢へ移籍。10勝をマークして、秘めた素質が開花。再び中央入りして4勝をあげ、オープンまで出世した。

 昨年は平安ステークス4着からマーキュリーカップへ臨み、2番人気だったが、1秒1差4着。続く白山大賞典もマスターフェンサーの4着に敗れたが、みやこステークス2着。さらに東京大賞典(JpnⅠ)では4着ながら優勝オメガパフュームに0秒1差。

 敗戦を糧に地力をつけ、今年もマーチステークス2着、アンタレスステークスでは後の帝王賞馬テーオーケインズの2着。まさに遅咲きの典型と言っていいだろう。

 今回はマスターフェンサーが58キロ、デルマルーヴルが57キロに対し、54キロのハンデが最大のアドバンテージ。7歳にして初重賞制覇の可能性は十分ある。

デルマルーヴル

牡5歳 父パイロ

戸田博文きゅう舎(美浦)

 デビュー2戦目から3連勝を飾り、兵庫ジュニアグランプリ(JpnⅡ)を優勝し、全日本2歳優駿(JpnⅠ)2着。UAEダービー(ドバイ)でも4着を確保した。

 帰国後はジャパンダートダービー、レパードステークス、白山大賞典で3連続2着に惜敗したが、浦和記念4着から名古屋グランプリを優勝。ダートグレード2勝目をあげた。

 昨年は川崎記念3着、フェブラリーステークス15着からぶっつけでマーキュリーCへ名乗りをあげ、トップハンデ57キロで2着を確保。改めて地力の高さを誇示した。

 続く日本テレビ盃も2着にまとめたが、以降は着外の連続。後方のままを繰り返しているが、盛岡で復活を賭ける。

バンクオブクラウズ

牡4歳 父ロージズインメイ

石坂公一きゅう舎(栗東)

 初勝利はデビュー3戦目。その後も敗戦をはさみながらも着実に地力アップ。今年2月、東京ダート2100mを快勝し、直後にJpnⅢ・名古屋大賞典へ挑戦。クリンチャーが3馬身差で圧勝したが、2着を確保。そのクリンチャーは続く帝王賞で3着に入ったことを考えれば実力は推して知るべし。

 何よりも強調材料は東京ダート2100m戦は4戦2勝2着2回と連対パーフェクトを継続中。マーキュリーカップに直結するブリリアントステークス、スレイプニルステークスで連続2着は価値が高い。

 特にスレイプニルSはスタートであおりながらも直線半ばで一旦先頭。ハヤヤッコの外強襲に屈したが、負けて強しの一戦だった。

 ロージズインメイ産駒は盛岡コースとの相性も抜群。一気に頭角を現すか注目。

ラストマン

牡4歳 父ゴールドアリュール

戸田博文きゅう舎(美浦)

 通算成績11戦4勝2着2回。デビューから一貫してダート1800m以上を使われ、ダート2400mでも1勝。典型的なステイヤーと見て間違いない。

 オープン入り初戦の前走・ブリリアントステークスは勝ったヒロイックテイルとは1秒差7着だったが、2着バンクオブクラウズとは0秒5差。

 また同族にクリソベリル、アロンダイトなどダートの頂点を極めた強豪がずらり。地方ダート未経験だが、伸びしろは十分にある。

クインズサターン

牡8歳 父パイロ

安田武広きゅう舎(北海道)

 3歳時にユニコーンステークス5着。5歳時にはマーチステークス、武蔵野ステークス2着。アンタレスステークス、平安ステークス、根岸ステークス3着。2019年のJBCクラシック(浦和)でチュウワウィザードの4着。グレード制覇は果たせなかったが、上位を確保してきた。

 昨年、南関東4戦2着1回から北海道へトレード。圧巻の4連勝を飾り、道営記念も3馬身差で完勝。7歳にして初重賞を獲得した。

 今季も健在を誇示し、シーズン初戦のコスモバルク記念をトップハンデ58キロで快勝。2戦目・赤レンガ記念はリンノレジェンドに逃げ切られたが、2着を死守した。今度は走り頃の休み明け3戦目。馬体が絞れてくれば上位確保の可能性は十分ある。

エンパイアペガサス

牡8歳 父エンパイアメーカー

佐藤祐司きゅう舎(水沢)

 重賞コレクターの異名を取り、今年は岩手古馬の最高峰・一條記念みちのく大賞典を優勝。メイセイオペラ(3連覇)以来2頭目の3度優勝を成し遂げ、自身の持つ岩手競馬重賞タイトル数を『18』に伸ばした。

 マーキュリーカップは2018年に挑戦してミツバの7着。前年には浦和記念(JpnⅡ)にも挑戦して6着と電光掲示板に載るのはあとひと押し。地元の期待を集めていざ、出陣!