注目レース情報
第27回クラスターカップJpnIII
盛岡競馬場 ダ 1200メートル2022/8/16(火) 9R 16:40発走
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盛岡競馬場 ダ 1200メートル2022/8/16(火) 9R 16:40発走
クラスターカップは1996年、新盛岡競馬場=OROパーク開設を記念して創設された。
当時、ダート短距離のレース体系は確立されていなかったが、徐々に整備。2001年にJBCスプリント(JpnⅠ)が創設され、ついにレース体系が確立。地方開催では東京スプリント(JpnⅢ)→北海道スプリントカップ(JpnⅢ)→クラスターカップorサマーチャンピオン(JpnⅢ)→東京盃(JpnⅡ)→JBCスプリントがダートスプリントの既定路線となった。
それを裏付けるようにクラスターCを優勝し、後にJBCスプリントを制した競走馬はノボジャック(第1回JBC)を皮切りに、サウスヴィグラス、サマーウインド、タイセイレジェンド、ダノンレジェンド、ブルドッグボスの6頭。また一昨年のヤマニンアンプリメはJBCレディスクラシックを優勝した(バンブーエールはJBCスプリントを勝った後、クラスターCも優勝)。
また歴代優勝馬からノボジャック、サウスヴィグラス、バンブーエール、タイセイレジェンド、ダノンレジェンド、ブルドッグボス、マテラスカイが種牡馬入りを果たした。
今年のJBCは盛岡&門別が舞台。JBCスプリントと同じ盛岡ダート1200mで行われるクラスターカップは、例年以上に直結する一戦となった。
昨年優勝馬 リュウノユキナ号
基本的に逃げ・先行馬に有利な条件。理想的なのはやはり先行集団につけることができるスピードがあり、なおかつ最後の直線での伸び脚もある“先行差し” タイプだ。イメージはクラスターカップの展開で、ハイペースでも好位を追走しつつ上がり3ハロン34秒台~35秒台前半の切れを発揮できるような馬が理想的な存在。上位クラスほどスピード+αが要求される舞台だと言える。
盛岡競馬場コース図
2021年 | |
---|---|
1着 | リュウノユキナ 北海道SC②←東京スプリント① |
2着 | サイクロトロン 東京スプリント⑧←千葉S⑨ |
3着 | ヒロシゲゴールド 東京スプリント←千葉S⑤ |
2020年 | |
1着 | マテラスカイ 北海道SC②←サウジアC② |
2着 | ヒロシゲゴールド 京葉S①←すばるS⑬ |
3着 | ブルドッグボス 浦和スプリントOP①←さきたま杯② |
2019年 | |
1着 | ヤマニンアンプリメ 北海道SC①←かきつばた記念② |
2着 | ヒロシゲゴールド 天王山S⑨←東京スプリント③ |
3着 | コパノキッキング 東京スプリント②←フェブラリーS⑤ |
2018年 | |
1着 | オウケンビリーヴ パーキングLC②←天王山S⑦ |
2着 | ネロ きたま杯⑧←東京スプリント③ |
3着 | ラブバレット 栗駒賞①←北海道SC② |
2017年 | |
1着 | ブルドッグボス 習志野きらっとS③←天王山S⑤ |
2着 | ラブバレット 岩鷲賞①←栗駒賞① |
3着 | サイタスリーレット 栗東S①←陽春S① |
2016年 | |
1着 | ダノンレジェンド 北海道SC①←東京スプリント③ |
2着 | ブルドッグボス かきつばた記念②←東京スプリント④ |
3着 | ラブバレット 岩鷲賞①←栗駒賞① |
2015年 | |
1着 | ダノンレジェンド 北海道SC③←東京スプリント① |
2着 | ポアゾンブラック門別スプリント①←北海道SC② |
3着 | ラブバレット 岩鷲賞②←さきたま杯④ |
2014年 | |
1着 | サマリーズ プロキオンS⑬←三宮S① |
2着 | スイートジュエリー CBC賞⑬←韋駄天S⑪ |
3着 | シルクフォーチュン プロキオンS⑧←高松宮記念⑩ |
2013年 | |
1着 | ラブミーチャン 習志野きらっとS①←名古屋でら馬S① |
2着 | タイセイレジェンド ドバイゴールデンシャヒーン⑫←フェブラリーS⑭ |
3着 | ノーザンリバー バーデンバーデンC⑥←深草S① |
2012年 | |
1着 | タイセイレジェンド 北海道SC②←欅S⑦ |
2着 | セレスハント プロキオンS⑨←北海道SC① |
3着 | アイルラヴァゲイン アイビスサマーD⑧←バーデンバーデンC⑤ |
過去10年で北海道スプリントカップ出走→クラスターC優勝は6頭。さらに3年連続で制覇し、ダートスプリント路線の王道といっていいだろう。もう一つ重要な路線は東京スプリント。昨年の1着馬から3着馬まで上位3頭が東京スプリントを使った。1着リュウノユキナは北海道SC2着を経て優勝。2着サイクロトロン、3着ヒロシゲゴールドは東京スプリントから直行。ダート短距離路線が定着したことを証明した。
過去10年の所属先(左から2021年→2012年)
1着 | 東・西・西・西・浦・西・西・西・笠・西 |
---|---|
2着 | 西・西・西・西・岩・西・北・西・西・西 |
3着 | 西・浦・西・岩・西・岩・岩・西・西・東 |
2011年~1996年
1着 | 西・西・西・船・西・西・東・西・東・東・西・名・東・西・西・西 |
---|
*西=栗東、東=美浦、岩=岩手、北=北海道、浦=浦和、笠=笠松、船=船橋、名=名古屋
昨年、美浦所属馬のリュウノユキナが優勝。2005年、エンゲルグレーセ以来、16年ぶりに美浦所属馬が制した。この勝利で美浦所属馬は通算5度優勝しているが、西=JRA栗東所属馬の活躍ぶりが際立っている。過去10年で7度優勝し、全26回でも17回優勝と圧倒的優位に立っている。
また地方所属馬も健闘している。第22回(2017年)、浦和・ブルドッグボスが優勝して2着に岩手・ラブバレットとワンツーフィニッシュを決め、第18回(2013年)は笠松・ラブミーチャンが優勝。一昨年もブルドッグボスが3着を確保した。
1着 | 2着 | 3着 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 5回 | 1回 | 2回 | 50% | 60% | 80% |
2番人気 | 2回 | 2回 | 2回 | 20% | 40% | 60% |
3番人気 | 1回 | 4回 | 1回 | 10% | 50% | 60% |
4番人気 | 2回 | 1回 | 2回 | 20% | 30% | 60% |
5番人気 | 0回 | 2回 | 1回 | 0% | 20% | 30% |
6人気以下 | 0回 | 0回 | 2回 |
優勝馬は必ず4番人気以内。その4番人気で優勝したのは2014年のJRAサマリーズ、2017年、浦和代表で優勝したブルドッグボスの2頭。後者の場合、昨年のJBCスプリントを制したことを考えれば評価が低かったかもしれない。
過去10年の1番人気の結果は2020年からさかのぼって
①①③④③②①④①①
2019年から2016年まで1番人気の優勝はなかったが、昨年リュウノユキナ、一昨年マテラスカイが1番人気で優勝。過去10年で優勝5回に加え、すべて4着以内を確保している点もつけ加えておきたい。
またひまわり賞が2年前、2000mから1800m短縮の影響は少なくない。スタート地点はゴール手前200m。1コーナーまでの入りが早くなった分、ペースが落ち着き、将来的に先行有利になる可能性が高い。
1着 | 2着 | 3着 | |
---|---|---|---|
4歳 | 1回 | 3回 | 3回 |
5歳 | 5回 | 2回 | 2回 |
6歳 | 4回 | 3回 | 1回 |
7歳 | 0回 | 2回 | 1回 |
8歳 | 0回 | 0回 | 2回 |
9歳 | 0回 | 0回 | 0回 |
10歳 | 0回 | 0回 | 1回 |
世代別優勝馬で特出しているのは5歳世代の優勝5回。ほかに2着3回3着3回。続いて6歳馬は優勝4回2着3回。4歳馬は2014年のサマリーズ1頭だった。5、6歳馬の活躍は芝からダート変更して素質を開花させるケース、3歳レースにダート短距離戦が少ないことなどが考えられるが、一番は経験値がモノを言うからだろう。
今年、3歳馬リメイクが出走予定だが、仮に優勝すれば第1回トキオクラフティー以来、クラスターカップ2度目の3歳制覇の快挙となる。動向に注目してみたい。
優勝 | |
---|---|
2021年 | リュウノユキナ 父ヴァーミリアン(ミスプロ系) |
2020年 | マテラスカイ 父スパイツタウン(ミスプロ系) |
2019年 | ヤマニンアンプリメ 父シニスターミニスター(APインディ系) |
2018年 | オウケンビリーヴ 父クロフネ(ノーザンダンサー系) |
2017年 | ブルドッグボス 父ダイワメジャー(SS系) |
2016年 | ダノンレジェンド 父マッチョウノ(ホーリーブル系) |
2015年 | ダノンレジェンド 同上 |
2014年 | サマリーズ 父ハードスパン(ノーザンダンサー系) |
2013年 | ラブミーチャン 父サウスヴィグラス(ミスプロ系) |
2012年 | タイセイレジェンド 父キングカメハメハ(ミスプロ系) |
2011年 | ドスライス 父スパイツタウン(ミスプロ系) |
2010年 | サマーウインド 父タイキシャトル(ヘイロー系) |
2009年 | バンブーエール 父アフリート(ミスプロ系) |
2008年 | プライドキム 父アフリート(ミスプロ系) |
2007年 | メイショウバトラー 父メイショウホムラ(ネヴァーベンド系) |
2006年 | アグネスジェダイ 父アグネスワールド(ノーザンダンサー系) |
2005年 | エンゲルグレーセ 父プラウドデボネア(ノーザンダンサー系) |
2004年 | シャドウスケイプ 父フォーティナイナー(ミスプロ系) |
2003年 | ディバインシルバー 父シルバーデピュティ(ノーザンダンサー系) |
2002年 | サウスヴィグラス 父エンドスウィープ(ミスプロ系) |
2001年 | ノボジャック 父フレンチデピュティ(ノーザンダンサー系) |
2000年 | ゴールデンチェリー 父クラフティプロスペクター(ミスプロ系) |
1999年 | アブクマレディー 父ホスピタリティ(テューダーミンストレル系) |
1998年 | ファーストアロー 父エブロス(ミスプロ系) |
1997年 | トシヴォイス 父シルヴァーヴォイス(ノーザンダンサー系) |
1996年 | トキオクラフティー 父クラフティプロスペクター(ミスプロ系) |
一昨年はミスプロ系マテラスカイが優勝。7年ぶりにミスプロ系優勝をもたらしたが、昨年もミスプロ系ヴァーミリアン産駒リュウノユキナが優勝した。さすがダート短距離での強さは特筆もの。過去10年で4頭の優勝馬を出しているだけではなく、過去26回でミスプロ系の優勝は12頭。対してSS(サンデーサイレンス)系は2017年のブルドッグボスの1頭のみ。広義でヘイロー系はサマーウインドが優勝しているが、マーキュリーカップとは正反対の結果というのも興味深い。そして近年、ダート界で多くの活躍馬を出しているAPインディ系。今年を制すれば史上2頭目のAPインディ系の優勝となる。
牡6歳
父パドトロワ(ミスプロ系)
デビュー戦は競走除外だったが、2戦目2着。初勝利を狙った3戦目だったが、1勝クラスで11着。デビューが3歳8月まで遅れたため、南関東・船橋へ移籍。ダート戦は未経験だったが、あっさり3連勝をマークしてJRAへ復帰。ダート短距離で逃げ切り3連勝。通算6連勝を飾り、一気にオープン入りを果たした。初戦のGⅢ・カペラステークスは3着。続く大和ステークスも6着に終わったが、見事に軌道修正。京葉ステークスを皮切りにカペラS、リヤドダートスプリント(サウジアラビアGⅢ)、北海道SCと現在4連勝中。ダート短距離界の主役に躍り出た。狙うのは今年盛岡で行われるJBCスプリント。コース経験も兼ねての参戦だろうが、いまやダート短距離界に敵なし。
牡3歳
父ラニ(APインディ系)
父ラニはダート2連勝からUAEダービー(ドバイ)を優勝。アメリカ三冠全てに挑戦してベルモントステークス3着。母サリエルは芝1勝、ダート1200m3勝で準オープンへ在籍した実力牝馬。以上の血統背景からデビュー戦の中京ダート1400mを1秒3差で圧勝。続く2戦は5、3着に終わったが、4戦目からダート1400mを舞台に破竹の3連勝。GⅢ・ユニコーンステークスで1番人気に支持されたが、スタートで出遅れ。それでも持ち直して中団を追走し、直線で外から伸びてきたが、イン強襲に遭って6着。しかし0秒2差なら評価ダウンにはまったくならない。仮に3歳馬が優勝すれば第1回トキオクラフティー以来、26年ぶり史上2頭目の快挙。51キロの負担重量も味方に先輩たちを一蹴する。
牡7歳
父ヴァーミリアン(ミスプロ系)
北海道2勝からJRA札幌・すずらん賞(芝1200m)へ挑戦して快勝。その年の12月にJRA入りし、当初は芝路線を歩んだが、5着1回が最高でダートへシフト。初戦を快勝後は凡走もありながら、5歳1月に3勝クラスを卒業した。本格化を迎えたのは昨年6歳。3連勝をマークし、東京スプリントを優勝。重賞初制覇を果たし、北海道スプリントカップ2着からクラスターカップをイン強襲で完勝。重賞2つめを手にした。以降は白星こそないが、2着4回、JBCスプリント5着。前走・北海道SCは3着だったが、ダンシングプリンスに直線で食らいついた。ゲンのいい盛岡で2連覇を狙う。
牡6歳
父オルフェーヴル(SS系)
3歳5月まで芝路線を歩んで2勝。9月からダート路線へ変更して3勝をあげて東京スプリントに出走。重賞初挑戦で制覇し、一戦置いて東京盃(JpnⅡ)を快勝。そしてJBCスプリント8着からカペラS(GⅢ)で重賞3勝目を飾った。翌春は海外へ遠征。リヤドダートスプリント8着、ドバイゴールデンシャヒーン11着に終わって帰郷すると以降はスランプ。最高4着止まりだったが、前回・大和Sを快勝。一昨年12月以来の勝利を飾り、ようやく復活を果たした。今回は半年ぶりの実戦、58キロの酷量を背負うが、克服する素地は十分。
牡5歳
父マリブムーン(APインディ系)
デビュー4戦は芝を使って3着2回。5戦目に東京ダート1400m戦で初勝利をあげ、昨年12月、3勝クラスを完勝してオープン入り。GⅢ・根岸Sは14着に完敗したが、以降は3、2、1着。実戦を使われながらオープン通用するまで地力を強化した。重賞挑戦2度目で大魚を手にするか。