注目レース情報
第46回桐花賞M1
水沢競馬場 ダ 2000メートル2022/12/31(土) 9R 15:15発走
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水沢競馬場 ダ 2000メートル2022/12/31(土) 9R 15:15発走
桐花賞の創設は1975年。JRA「有馬記念」を範に採り、ファン投票によって代表馬が選出される岩手競馬版グランプリレース。
桐花賞は毎年12月31日大みそかの恒例行事として定着したが、初めて大みそかに行われたのは1992年度(第18回・優勝グレートホープ)。前後して12月30日、年明け第一週で実施されたことがあったが、2005年から12月31日に固定。現在に至っている。
連覇は第5、6回スリーパレード。第8、9回トウケイホープ、第17、18回グレードホープ(15年を合わせて3度優勝)。第41回、42回ナムラタイタン。またトウケイニセイ(第19回~21回)、トニージェント(第28回~30回)は3連覇の偉業達成。またエンパイアペガサスは2017年、2020年と2度制覇を果たしている。
第1回から第5回まで舞台は盛岡(旧・緑ヶ丘)2000mで行われ、その後は水沢と交互に実施され、1982年以降は水沢2000mを舞台に行われている。桐花賞レコードは2013年、スーブルソーがマークした2分6秒0。昨年は走路悪化のため休止。2018年も休止となった。
2020年優勝馬 エンパイアペガサス号
2コーナー直後からスタートして先行争いは向こう正面一杯を使うが、流れは意外に落ち着きやすい。過去5年間では6番の勝率が22.2%で最高。一方で最内の1番・大外の12番は0勝と不振。また過去5年間で1番人気は勝率55.6%・連対率83.3%。5番人気以下からの優勝はなく、人気上位、特に1番人気~3番人気が強い。今季もこの距離を使用するのは3つのM1重賞のみ。いずれも頂点競走でもあり、人気上位馬が強い傾向は変わりないだろう。
水沢競馬場コース図
2020年(2021年は休止) | |
---|---|
1着 | エンパイアペガサス←北上川大賞典①←A級② |
2着 | ヒガシウィルウィン←絆カップ①←南部杯⑧ |
3着 | フレッチャビアンカ←北上川大賞典②←ダービーGP① |
2019年 | |
1着 | ヤマショウブラック←白嶺賞②←イーハトーブマイル① |
2着 | エンパイアペガサス←白嶺賞①←北國王冠③ |
3着 | アドマイヤメテオ←←白嶺賞③←絆カップ③ |
2017年(2018年は休止) | |
1着 | エンパイアペガサス←浦和記念⑥←絆カップ⑥ |
2着 | ベンテンコゾウ←ダービーGP⑤←A級① |
3着 | ダイワエクシード←北上川大賞典①←A級② |
2016年 | |
1着 | ナムラタイタン←絆カップ②←シアンモア記念① |
2着 | アントニオピサ←北上川大賞典②←A級① |
3着 | コミュニティ←北上川大賞典③←A級① |
2015年 | |
1着 | ナムラタイタン←絆カップ①←南部杯⑬ |
2着 | コミュニティ←北上川大賞典②←絆カップ③ |
3着 | ライズライン←北上川大賞典①←絆カップ⑤ |
2014年 | |
1着 | コミュニティ←白嶺賞④←北上川大賞典③ |
2着 | ナムラタイタン←北上川大賞典①←JBCクラシック⑥ |
3着 | ワットロンクン←B1①←黒潮盃⑬ |
2013年 | |
1着 | スーブルソー←A級①←A級② |
2着 | モズ←北上川大賞典①←アンドロメダS⑭ |
3着 | トーホクアロー←A級④←A級② |
2012年 | |
1着 | ロッソコルサ←ダービーGP①←不来方賞① |
2着 | マイネヴィント←北上川大賞典①←A級③ |
3着 | ジョーモルデュー←A級②←道営記念⑥ |
2011年 | |
1着 | カミノヌヴォー←ダービーGP①←不来方賞① |
2着 | コアレスランナー←A級①←A級③ |
3着 | ニシノエックス←B2②←シルバーステッキ賞⑤ |
2010年 | |
1着 | ロックハンドスター←ダービーGP①←不来方賞① |
2着 | マヨノエンゼル←白嶺賞②←栗駒賞⑦ |
3着 | サクラマジェスティ←A級①←A級② |
*2018年は休止
3歳馬の優勝は過去4頭。共通するのは不来方賞を優勝していること。ダービーグランプリも重要なステップ。ロックハンドスター、カミノヌヴォー、ロッソコルサがダービーGPも制し、桐花賞を制した。3年前のヤマショウブラックはダービーGP4着。白嶺賞ハナ差2着から桐花賞を優勝した。
古馬は白嶺賞出走組から3頭が優勝しているが、昨年から休止。それを除くと絆カップ、北上川大賞典出走などから桐花賞を制している。
桐花賞優勝 | 年度代表馬 | |
---|---|---|
2020年 | エンパイアペガサス | フレッチャビアンカ |
2019年 | ヤマショウブラック | ヤマショウブラック |
2018年 | 休止 | チャイヤプーン |
2017年 | エンパイアペガサス | ラブバレット |
2016年 | ナムラタイタン | ラブバレット |
2015年 | ナムラタイタン | ナムラタイタン |
2014年 | コミュニティ | ナムラタイタン |
2013年 | スーブルソー | ドリームクラフト |
2012年 | ロッソコルサ | ロッソコルサ |
2011年 | カミノヌヴォー | カミノヌヴォー |
2010年 | ロックハンドスター | ロックハンドスター |
桐花賞を制した3歳馬は、いずれも年度代表馬に選出されている。やはり岩手クラシック、ダービーグランプリで好走した上、桐花賞を制するとインパクト大。ほぼ満場一致で年度代表馬に選ばれている。
古馬で桐花賞を優勝し、年度代表馬に選ばれたのは過去10回でナムラタイタン1回のみと直結するデータとは言えないが、トータルでは桐花賞優勝=年度代表馬は5割。果たして今年はどのような結果となるか。
1着 | 2着 | 3着 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 5回 | 4回 | 0回 | 50% | 90% | 90% |
2番人気 | 2回 | 2回 | 3回 | 20% | 40% | 70% |
3番人気 | 1回 | 1回 | 3回 | 10% | 20% | 50% |
4番人気 | 1回 | 1回 | 2回 | 10% | 20% | 40% |
5番人気 | 0回 | 1回 | 0回 | 0% | 10% | 10% |
6人気以下 | 1回 | 1回 | 2回 |
1番人気の優勝はナムラタイタン(2度)、ロッソコルサ、カミノヌヴォー、ロックハンドスターの5頭。さらに2着も3回を確保し勝率50%、連対率80%と1番人気の信頼度は高い。
続く2番人気の優勝はヤマショウブラック、エンパイアペガサスの2頭。終わってみれば納得の結果。1、2番人気馬が過去10回中7度も優勝している。
3番人気の優勝は昨年のエンパイアペガサス。4番人気はコミュニティ。4番人気以内の優勝率は90%となっている。
6番人気以下での優勝は2013年、スーブルソー。単勝でも2370円の高配当を演出し、3連単も83360円。実は1番人気が連対の外したのがこの年。1番人気ローレルカンタータが6着に沈み、波乱の一戦となった。
ただし大波乱はこの1回のみ。基本は本命サイド。近3年も人気順はともかく1~3番人気が上位3着までを確保している。
1着 | 2着 | 3着 | 通算 | |
---|---|---|---|---|
3歳 | 4回 | 1回 | 3回 | 11回 |
4歳 | 2回 | 1回 | 3回 | 5回 |
5歳 | 0回 | 3回 | 1回 | 9回 |
6歳 | 1回 | 3回 | 0回 | 8回 |
7歳 | 1回 | 1回 | 1回 | 7回 |
8歳 | 0回 | 1回 | 2回 | 3回 |
9歳 | 1回 | 0回 | 0回 | 1回 |
10歳 | 1回 | 0回 | 0回 | 1回 |
世代別優勝で目につくのは3歳馬。史上初めて3歳優勝を果たしたカウンテスアップを皮切りに、計11頭が優勝。過去10年でも4頭が桐花賞を制しており、3歳優位の傾向。ただ絶対とも言えない。過去10回こそ5、8歳の優勝はなかったが、トータルでは各世代からまんべんなく優勝馬が出ている。なお9歳、10歳の優勝は現在、種牡馬で活躍中のナムラタイタンです。
2020年 | エンパイアペガサス | 優勝 |
2019年 | エンパイアペガサス | 2着 |
2017年 | コミュニティ | 5着 |
2016年 | ナムラタイタン | 優勝 |
2015年 | ナムラタイタン | 優勝 |
2014年 | ナムラタイタン | 2着 |
2013年 | モズ | 2着 |
2012年 | トーホクキング | 7着 |
2011年 | ゴールドマイン | 5着 |
2010年 | ロックハンドスター | 優勝 |
ファン投票1位で優勝したのはナムラタイタン(2連覇)、ロックハンドスター、そして昨年のエンパイアぺガスの4回。勝率40%、連対率70%ならばファンの支持にひとまず応えてきたと判断できる。
牡5歳 父・エスポワールシチー
畠山信一きゅう舎・水沢
何度も記したが、JpnⅠ・全日本2歳優駿を優勝し、NARグランプリ2歳最優秀馬の栄誉を獲得。3歳時にも重賞・秋の鞍(名古屋)を制したが、以降は勝ち星から遠ざかり、7ヵ月半の休養を経て岩手へ新天地を求めてきた。その選択がズバリ。赤松杯2着からシアンモア記念を快勝。2020年10月以来の勝利を飾り、一條記念みちのく大賞典3着からJpnⅢ・マーキュリーカップでも3着に健闘。JpnⅠホースの実力を垣間見せた。
続く川崎・スパーキングサマーカップ4着後、南部杯、JBCクラシックとJpnⅠへ連続挑戦。一貫して表舞台を歩み続けてきた。今回は11月3日以来の実戦だが、岩手の王道を歩み続けてきた強豪。桐花賞勝利で1年を締めくくりたいところだろう。
牡9歳 父スウェプトオーヴァーボード
千葉幸喜きゅう舎・水沢
ステイヤーステークスを制したリッジマンが岩手入り。初戦の桂樹杯で1番人気に支持されたのも当然のことだった。しかし結果は7着。続くいしがきマイラーズ4着、OROカップ4着に終わったが、仰天ニュースが飛び込んできた。ジャパンカップ挑戦。地方馬の参戦はハッピースプリント以来4年ぶり。岩手所属馬では史上初のことだった。結果はしんがり16着だったが、鞍上・石川裕紀人騎手は翌週のチャンピオンズカップをジュンライトボルトで優勝。JCは好経験になったに違いない。今回はダートが舞台だが、ご存じのとおり北海道デビュー。門別1000mの新馬戦を勝っているので、おそらく問題なし。仮に優勝すれば各方面から賞賛の声が上がるに違いない。
牡8歳 父・カジノドライヴ
板垣吉則きゅう舎・水沢
中央ダート4勝。JpnⅡ・兵庫チャンピオンシップ2着、2019年、jpnⅢ・マーキュリーカップ2着。南関東移籍後は梅見杯(名古屋)の1勝のみにとどまり、着外の連続。ヴァケーションと同じく岩手で再起を図り、転入初戦のトウケイニセイ記念を完勝。強豪メンバーと戦ってきた地力を誇示した。2000m延長は望むところ。重賞2連勝を飾るか、注目が集まる。
牡6歳 父・ルースリンド
小林俊彦きゅう舎・水沢
3歳9月、南関東から再転入。不来方賞、イーハトーブマイルと3歳重賞を制し、さらにエンパイアペガサス相手に桐花賞を優勝。年度代表馬に選出された。翌シーズンの主役を演じると誰もが疑わなかったが、長い長い低迷期が続き、2021年の1勝のみ。往時の迫力を取り戻せず、南関東、岩手、門別などを転籍。今年12月に再び岩手入りして2着。3コーナーから一気にまくりをかけ、久々に“らしさ”を垣間見せた。この時期の軽い走路が合うのは過去の足跡でも証明済み。復活の雄たけびをあげるか。
牡5歳 父・ベルシャザール
櫻田康二きゅう舎・盛岡
2歳時6戦5勝の成績で2歳最優秀馬の栄誉を獲得。その後、南関東1戦から里帰りして岩手一冠目・ダイヤモンドカップを圧勝。3歳戦線もリードすると思ったが、以降はフレッチャビアンカの後塵を拝して沈黙。4歳10月、南関東へ移籍して2勝。体が一回りも二回りも大きくなって今年春に帰郷。初戦のシアンモア記念で2着に粘り、通用を証明した。続く一條記念みちのく大賞典4着後、戦列離脱が痛かったが、いしがきマイラーズで復帰。2戦目を順当勝ちした。前走・トウケイニセイ記念は馬場にも泣いて5着。2000mは気持ち長いが、自分の競馬に徹すれば克服できる。
牡6歳 父・ベルシャザール
佐々木由則きゅう舎・水沢
中央ダート2勝、大井1勝・A2から転入後、3勝2着4回。馬券対象から外れたのは重賞・青藍賞4着のみ。トウケイニセイ記念でも2着を確保し、抜群の安定感を誇っている。今回の2000mも大井A2完勝で適性高いことを証明済み。ロングスパートを決め、待望の重賞初制覇に燃えている。
牡6歳 父・エイシンフラッシュ
石川栄きゅう舎・水沢
中央未勝利から下級条件に編入され、スケール大きく5勝。翌年も6勝をあげ、秘めた素質を開花させた。昨年は1勝のみにとどまったが、今年は8月に芝からダート変更した盛岡マイル戦を快勝。そして前走は北上川大賞典を完勝。重賞の壁に何度も突き当たったが、重賞挑戦6度目。北上川大賞典挑戦3度目でついにタイトルを獲得した。黒光りする恵まれた馬体の持ち主で支持するファンも多い。