注目レース情報

第2回OROオータムティアラM1

盛岡競馬場 ダ 2000メートル2021/10/24(日) 12R 18:15発走

レースについて

○歴史

 岩手競馬の牡馬クラシックは何度か対象レースが変わったが、三冠体系が確立されていた。現在はダイヤモンドカップ(1600m)、東北優駿(岩手ダービー 2000m)、不来方賞(2000m)が岩手三冠。

 対して牝馬クラシックは留守杯日高賞(1600m)、ひまわり賞(当時2000m)の二冠のみだったが、昨年、新たに「OROオータムティアラ」を創設。牝馬も留守杯日高賞(水沢1600m)、ひまわり賞(オークス・盛岡ダート1800m)、OROオータムティアラ(盛岡ダート2000m)の三冠体系が確立された。

 OROオータムティアラは昨年新設ゆえ、過去のデータで基準を作ることはできないが、昨年のレース結果を分析してみたい。

昨年優勝馬 セシール号

コースの特徴

○ダート2000m

 4コーナー奥のポケットからスタートして2度の坂越えを要求される過酷なコースだけに中途半端な逃げや先行馬は苦しい。逆に、そんなイメージのせいか実力馬が先行策を採ると他が競りかけてこず、そのまま押し切って圧勝してしまうケースも。

 重賞のみ、それもグレード競走かM1だけという条件だけに過去5年の1番人気馬の勝率45.0%、連対率は65.0%なのをはじめ5番人気までの人気上位馬が安定した成績を残している

盛岡競馬場コース図

データ分析

舞台は盛岡ダート2000m。距離経験がモノを言う

2020年(10月24日)
1着 セシール 中山芝1600m⑧→福島芝2000m⑨→岩手①①⑥①①①①→OROオータムティアラ
2着 マルケイマーヴェル 2歳時7戦0勝→①→留守杯日高賞⑤→①②①①→ひまわり賞①→A級④→OROオータムティアラ
3着 ピエナアルティシア 2歳時1戦0勝→3歳 ダート1800m<0.0.0.4>、芝2000m<0.0.0.2>、芝2200m<0.0.0.1>→岩手①①④②③→OROオータムティアラ

 セシールは2019年12月デビュー。翌年4月、福島を使って2戦0勝から転入。獲得賞金“0円”から岩手入りし、最下級3歳C2からスタート。一度6着はJRA条件交流。さすがに相手が強かったが、その後は古馬入りして3連勝。岩手の水も合っただけではなく、走るたびに成長。7戦6勝の成績を買われ、2番人気に支持されて見事優勝した。  注目点は中央時代に芝だったが、2000mを使っていたこと。デビュー戦も芝1600mで迎えたようにマイル以上が合うと見られていた。

 セシールの現オーナーいわく「福島芝2000mで3、4コーナーで進出した脚に見どころがあると思って購入しました」。その見立てがずばり。岩手の水も合い、OROオータムティアラを快勝。

 それがフロックではないことを続くイーハトーブマイルで牡馬クラシックをにぎわしたグランコージー(ダイヤモンドカップ優勝)、ピアノマン(東北優駿、不来方賞2着。ダービーGP3着)らを一蹴で証明した。

 セシールの最大勝因は、走るたびに成長したことと2000mを一度経験したこと。調子+距離経験がモノを言った。

 マルケイマーヴェルは2歳時未勝利に終わったが、ひと冬を越して変身。春初戦を快勝するとグランダムジャパン・留守杯日高賞へ挑戦して5着。自己条件に戻って①②①からひまわり賞(オークス)を完勝。初重賞を手にし、続いて古馬A級④着からOROオータムティラアに臨んで1番人気に支持されて2着。メンバー最速の上がりを駆使したが、位置取りの差も出た恰好。

 今年もビューチフルドリーマーカップ・トライアル「フェアリーカップ」を制したが、ひまわり賞と同じく盛岡ダート1800m。本番は相手も大幅に強化されたが、14頭立て7着。もしかするとマルケイマーヴェルに2000mは長かったのかもしれない。

 ピエナアルテシアは中央9戦0勝だったが、京都ダート1800mで④着。芝でも2000m、2200mを経験して転入。古馬C1級②着から挑戦し、相手強化と見られて8番人気だったが、低評価を覆して3着に健闘した。

 3歳牝馬にダート2000mは過酷な条件。ましてや距離経験がないと克服するのは相当ハードルが高い。結論は2000m、またはそれに近い距離経験があること。もう一点は強豪と戦ったことがあるか否か。今年のOROオータムティアラは、以上の点をチェックして馬券検討してほしいと思う。

有力馬紹介

ゴールデンヒーラー

父タートルボウル

佐藤祐司きゅう舎(水沢)

 デビュー2連勝を飾り、芝重賞・若鮎賞へ挑戦。初芝も影響してマツリダスティールの2着に敗れたが、リュウノシンゲンに先着。続く2戦2、5着に足踏みしたが、北海道・知床賞で強力な北海道勢を迎撃。重賞へ格上げされて以降、初めて地元岩手へ優勝をもたらした。続くグランダムジャパン2歳シーズン・プリンセスカップに駒を進め、ここでも遠征馬を一蹴。2歳馬では初の最優秀短距離馬へ選出された。

 今シーズン始動は3歳牝馬重賞・あやめ賞。4ヵ月ぶりの実戦を問題にせず、ベニスビーチ以下を完封。貫禄の違いを見せつけて鮮やかな逃げ切りを決め、牡馬クラシックへ挑戦。ダイヤモンドカップ2着、東北優駿(岩手ダービー)4着に敗れたが、二冠馬リュウノシンゲン不在の不来方賞トライアル・やまびこ賞を完勝。続いて岩手版オークス・ひまわり賞へ臨み、2着ホワイトプライドに10馬身差で圧勝。地力の違いを見せつけた。

 牡馬クラシック三冠目・不来方賞はマツリダスティールに2秒6差離されたが、リュウノシンゲンに先着2着。牝馬で牡馬三冠すべてで上位を確保したことがゴールデンヒーラーの能力を物語っている。

 今回は同世代の牝馬が相手。2000mも2度経験し、盛岡ダート2000mも不来方賞2着で問題ないことを証明済みなら、ヒロインの座は絶対に譲れない。

ベニスビーチ

父ノボジャック

畠山信一きゅう舎(水沢)

 北海道7戦1勝2着2回から笠松へ移籍。4戦2勝2着2回の成績を収め、南関東へ転籍。3戦5着1回が最高だったが、新天地を求めて水沢入り。あやめ賞2着、留守杯日高賞4着、東北優駿5着。直後に金沢へ移籍し、初戦で古馬B1を快勝。続くMRO金賞はシェナキングの2着だったが、“3歳秋のCS”サラブレッド大賞典を圧勝。待望の初重賞を手にし、ダービーグランプリへ挑戦10着。そのまま岩手へ残り、OROオータムティアラに臨む。

 あやめ賞2着、東北優駿5着、ダービーグランプリ10着といずれもゴールデンヒーラーの後塵を拝したが、全国で揉まれた経験が貴重。血統以上に2000m向きと見て良く、距離を味方にしたいところ。

ビルボードクィーン

父ルーラーシップ

畠山信一きゅう舎(水沢)

 デビュー5戦目の中京ダート1800mを快勝。ほかに芝ダートで2着1回3着2回。今年5月に金沢へ移籍して3歳A級戦を順当勝ち。石川ダービーでは惜しくもアイバンホーのクビ差2着に惜敗した。

 続いて高知優駿(1900m)へ駒を進めたが、好位から失速11着。その後、2ヵ月の休養を経て園田へ移籍。古馬B1級8着、3歳重賞・園田オータムトロフィー6着から転入。いきなり重賞挑戦となるが、盛岡と同じ中京ダート1800m1勝の実績が最大武器となるはず。

ホワイトブライド

父ルーラーシップ

瀬戸幸一きゅう舎(水沢)

 昨年は1勝のみにとどまり、春2戦も着外に終わったが、続く2戦3着から圧巻の3連勝。秘めた素質が開花し、重賞・ひまわり賞2着、イーハトーブマイル2着。古馬編入初戦のA級戦も快勝して6戦連続で連対を継続。奥手が完全に本格化を迎えた。ひまわり賞はゴールデンヒーラーに1秒6も水を開けられたが、成長続ける3歳馬の勢いが不気味。

ファイントリック

父ルーラーシップ

佐藤祐司きゅう舎(水沢)

 ご存知エンパイアペガサスの(半)妹。父がルーラーシップへ替わり、小柄な牝馬だが、2歳時から堅実さを発揮。ビギナーズカップ、プリンセスカップ、寒菊賞で3着を確保。今シーズンも健在を誇示し、スプリングカップ2着、ウイナーカップ、ひまわり賞を3着にまとめた。続く2戦で大敗を喫したが、古馬A級戦で直線鋭く伸びて0秒1差3着。再び上昇ムードで臨んできたのが心強い。