注目レース情報

第53回一條記念みちのく大賞典(M1)

水沢競馬場 ダ 2000メートル2025/6/29(日) 12R 18:15発走

レースについて

○歴史

 みちのく大賞典は1973年に創設。岩手古馬の最高峰レースに位置し、優勝馬の名前は盛岡、水沢などを往来する馬運車に刻まれる。昨年の覇者ヒロシクン号も新たに加わった。

 さすが最高峰レースにふさわしく、連覇(3連覇)した競走馬は岩手競馬史に残る強豪ばかり。第7、8回スリーパレード、第18、19回スイフトセイダイ、第19、20回グレートホープ(第19回は1着同着)、第22、23回モリユウプリンス、第26、27、28回メイセイオペラ(3連覇)、第32、33回トニージェント、そして2021年はエンパイアペガサスが第45回、46回に続いて3度目制覇。メイセイオペラ以来、史上2頭目の偉業を達成した。

 また日本の馬産界に多大な功績を残した一條牧夫、友吉親子の名前を後世に残すため、2004年からレース名称を一條記念みちのく大賞典とした。

 過去10年は2015年が水沢、2016年は盛岡、2017年~2024年は水沢競馬場が舞台で行われている。

昨年優勝馬 ヒロシクン

コースの特徴

○ダート2000m

向こう正面左手・2コーナーの直後からスタートして一周半、スタンド前を二度通過する長丁場。流れが落ち着きやすく、逃げ・先行馬が上位を占める結果が多い。というのもこの距離を使用するのは基本的にM1クラスの重賞でありメンバーはいずれも実力馬。展開的な紛れが生じづらい事が背景にあるだろう。過去5年・のべ16レースで1番人気は8勝、2番人気3勝。昨年の桐花賞を6番人気で制したライアンが久しぶりの5番人気以下からの勝利だった。勝ち馬の位置は1コーナーや2コーナーで中団にいても最後の4コーナーでは先頭というパターンがほとんど。機動力と決め手を兼ね備えた馬に注目。

水沢競馬場コース図

データ分析

○1番人気4勝、2番人気2勝、3番人気3勝

1着 2着 3着 勝率 連対率 複勝率
1番人気 4回 0回 2回 40% 40% 60%
2番人気 2回 1回 2回 20% 30% 50%
3番人気 3回 3回 2回 30% 60% 80%
4番人気 1回 1回 0回 10% 20% 20%
5番人気 0回 2回 1回 0% 20% 30%
6人気以下 0回 3回 3回

 1番人気の優勝はエンパイアペガサス、ランガディア、エンパイアペガサス、エンパイアペガサスの4頭。2番人気は2022年・ステイオンザトップ、コミュニティの2頭。3番人気は昨年のヒロシクン、そしてハドソンホーネット、ミラクルフラワーの3頭。4番人気の優勝は2023年のヴァケーション。今年はデータから外れたが、2014年は1番人気ナムラタイタンが制している。以上のことから優勝馬は4番人気以内。あと目につくのは3番人気の好走。優勝3回2着3回3着2回。複勝率(3着以内)は80%を誇っている。

○5歳馬優勝4回、4歳馬2回、6歳馬2回、8歳馬2回

1着 2着 3着
4歳 2回 1回 1回
5歳 4回 1回 2回
6歳 2回 1回 4回
7歳 0回 2回 2回
8歳 2回 3回 0回
9歳 0回 2回 1回

 5歳馬の優勝は昨年のヒロシクン、ハドソンホーネット(レコード)、エンパイアペガサス、コミュニティの4頭。5歳馬は競走馬の円熟期と言われ、心身ともに完成する時期と重なる。8歳馬の活躍も目につく。2021、2018年はステイオンザトップ、エンパイアペガサス。あとは6歳馬が2頭、4歳馬も2頭。ただ4歳馬は過去10年でエンパイアペガサス、ミラクルフラワーの2頭が優勝しているが、みちのく大賞典の歴史では稀なケース。第3回カネヒエイが4歳馬初優勝を果たし、以降はスイフトセイダイ、テンショウボス、コスモフィナンシェ。近10年では2頭が優勝しているが、第1回から昨年第52回まで4歳馬の優勝は計6頭のみ。データ的には以外に苦戦している。

 もう一つの話題は3歳馬のみちのく大賞典挑戦。2012年、アスペクトがダイヤモンドカップ(岩手ダービー・当時)を優勝直後に挑戦して10着。仮にリケアカプチーノが出走すれば、それ以来の3歳馬挑戦。どんな結果が出るのか興味深い。

○逃げ切り3勝、先行4勝、差し3勝

1着 2着 3着
逃げ 3回 3回 1回
先行 4回 4回 6回
差し 3回 3回 2回
追込 0回 0回 1回

 ダート競馬の基本は先行有利。そのセオリーどおり先行馬は4勝2着4回3着6回と高確率を残しているが、みちのく大賞典では過去10年で3度も逃げ切りが決まっている。昨年のヒロシクン、2023年ヴァケーション、2016年ミラクルフラワー。過去10年以前にも2014年ナムラタイタン、2013年コスモフィナンシェが逃げ切っている。かつて中央競馬に長距離戦は逃げ馬を買え、の格言があったが、みちのく大賞典にも当てはまる。今年はどの馬が主導権を握るか。

○過去10年はミスプロ系がリード

2024年 ヒロシクン 父ドレフォン(ストームキャット系)
2023年 ヴァケーション 父エスポワールシチー(SS系)
2022年 ステイオンザトップ 父ステイゴールド(SS系)
2021年 エンパイアペガサス 父エンパイアメーカー(ミスプロ系)
2020年 ランガディア 父キングカメハメハ(ミスプロ系)
2019年 ハドソンホーネット 父ロージズインメイ(ヘイロー系)
2018年 エンパイアペガサス 父エンパイアメーカー(ミスプロ系)
2017年 エンパイアペガサス 父エンパイアメーカー(ミスプロ系)
2016年 ミラクルフラワー 父プリサイスエンド(ミスプロ系)
2015年 コミュニティ 父ブライアンズタイム(ロベルト系)

 さすがダート競馬でミスプロ(ミスタープロスペクター)系は強さを発揮。エンパイアペガサス3度優勝を含め、計5頭の優勝馬が出ている。対してサンデーサイレンス=SS系は2022年、2023年と2年連続で優勝。また広義で言えばSSはヘイルトゥリーズン系。そうなるとハドソンホーネット、コミュニティもヘイルトゥリーズン系。2000mが舞台ならSS系にも十分出番はある。

 例外は昨年のヒロシクン。父ドレフォンはストームキャット系(祖父ノーザンダンサー)で母父はSS系ハーツクライ。そして祖母ファビラスラフインの父はノーザンダンサー産駒ファビュラスダンサー。5代血統にミスタープロスペクター(ミスプロ)が1頭も入っていない珍しい配合だった。

有力馬紹介

ヒロシクン

セン6歳 父ドレフォン(ストームキャット系)

佐藤雅彦きゅう舎・水沢

 昨年、中央1勝クラスから転入。B級で3連勝を飾り、いきなり古馬伝統の重賞・一條記念みちのく大賞典へエントリー。メンバーは一気に強化されたが、鮮やかな逃げ切りを決めて快勝。重賞初挑戦で制覇をやってのけた。続くマーキュリーカップではメイショウフンジンの出鼻を叩いて先手を主張。3コーナーで一杯となったが、2ヶ月の夏休み明けの青藍賞を快勝。マイルチャンピオンシップ南部杯は15着だったが、A級一組戦、トウケイニセイ記念と2連勝。地元同士の戦いでは負けなしを続けた。

 シーズン最終戦の桐花賞は直線一杯4着に終わったが、今季は赤松杯、シアンモア記念を連勝。年度代表馬フジユージーンを2着に退け、現役トップを不動のものにした。自分の競馬ができれば距離は関係なし。今回のメンバーはほぼ勝負づけが済み、みちのく大賞典2連覇へまい進する。

サクラトップキッド

牡4歳 父ビーチパトロール(ミスプロ系)

伊藤和忍きゅう舎・水沢

 デビューは2歳10月までずれ込んだが、以降は重賞路線へ名乗り。フジユージーンの存在が大きく2着2回が最高だったが、不在の3歳重賞・やまびこ賞を快勝。重賞ウイナーの仲間入りを果たした。以降は距離不足、相手強化などから足踏みしたが、岩手競馬の最長距離戦・北上川大賞典を完勝。3歳馬で初の同レース優勝の快挙を達成した。続く桐花賞5着後、遠野馬の里へ移動。春はマイル中心だったため、無理せず自重。満を持してあすなろ賞から始動して3着に好走。成長の跡がはっきりうかがえた。この一戦を叩いてみちのく大賞典は当初からの青写真。2000mを味方に逆転を目指す。

ミニアチュール

牝5歳 父ラブリーデイ(ミスプロ系)

佐藤祐司きゅう舎・水沢

 一昨年は3歳最優秀馬、昨年は最優秀牝馬に選ばれた強豪。今季初戦3着、栗駒賞8着に終わったが、元々が叩き良化型。3戦目のシアンモア記念で3着を確保し、ようやく本調子を取り戻した。前走・あすなろ賞は2着だったが、ヘリオスが相手では仕方なし。サクラトップキッドの追撃は半馬身差封じた。水沢2000mはダイヤモンドカップ優勝、桐花賞で僅差2着と問題ないのは証明。今度は牡馬のビッグタイトルを狙う。

ノーブルサターン

牡11歳 父カジノドライヴ(APインディ系)

板垣吉則きゅう舎・水沢

 一昨年、重賞4勝をマークして年度代表馬に選ばれた古豪。昨年は未勝利に終わり、今季も3、9、4着。年齢的な衰えは否定できないが、それでも桐花賞で0秒1差3着で健在を誇示した。水沢2000mは桐花賞2連覇と同じ舞台。ベスト条件で巻き返しをもくろむ。

ライアン

牡6歳 父ディープインパクト(SS系)

佐藤浩一きゅう舎・水沢

 2歳時に平和賞(船橋)を制し、羽田盃2着。その後、中央障害を経て岩手入り。3戦目の芝からダート変更した交流・せきれい賞を優勝。さらには桐花賞も制して重賞2勝。今季初戦を快勝し好発進を決めたが、シアンモア記念6着。しかし軽い走路になれば持てる能力をフルに発揮する。

リケアカプチーノ

牡3歳 父トランセンド(ニアーティック系)

菅原勲きゅう舎・水沢

 高知デビューで8戦5勝2着3回から転入。初戦の東日本交流・ダイヤモンドカップは2着だったが、勝ったシーソーゲームはJpnⅠ・東京ダービーで3着に健闘。ハイレベルの戦いだった。2戦目の東北優駿は地元馬の争いでメンバーが大幅に緩和され、2着に1秒1差をつけて圧勝。初タイトルを獲得した。3歳馬のみちのく大賞典挑戦は2012年アスペクト(10着)以来のこと。古馬一線級を相手にどのような競馬ができるか熱い視線が集まる。

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