注目レース情報

第41回プリンセスカップ(M1)

盛岡競馬場 ダ 1400メートル2025/10/26(日) 11R 17:35発走

レースについて

○歴史

 プリンセスカップの創設は1984年。当初は3歳牝馬特別(当時表記:現在は2歳)でスタートした。2012年から“GRANDAME-JAPAN”2歳シーズンの対象レースとなり、同時に重賞へ格上げされた。

 2歳シーズンは園田プリンセスカップ、金沢シンデレラカップ、プリンセスカップ(盛岡)、エーデルワイス賞(門別 JpnⅢ)、ローレル賞(川崎)、ラブミーチャン記念(笠松)、東京2歳優駿牝馬(大井)の全7R。

 今年も対象レースの変更はなかったが、一昨年から岩手のプリンセスカップの実施日程が変わった。2022年は11月13日に行われたが、2023年は10月29日、昨年は11月3日、今年は10月26日。2~3週間ほど前倒しとなった。また10月30日にエーデルワイス賞が行われ、2歳牝馬が分散化され、当然だが、エーデルワイス賞とプリンセスC(岩手)両レース出走は物理的に不可能。なお、2019年のプリンセスカップは休止。よって2014年以降のデータですのでご了承ください。

昨年優勝馬 エイシンナデシコ

コースの特徴

○ダート1400m

近年は古馬の上位クラスの設定が無くC1・C2級が中心になっているが、シーズン中で約180レースと盛岡で最もレース数が多い距離だけに展開は非常に多様。枠順の内外による有利・不利もほとんど無いと考えていい。基本的には先行タイプが有利、そして3番人気までの人気上位馬の勝率は過去5年間では77.6%に達しており人気に逆らいすぎるのは禁物。しかし直線一気の追い込みや人気薄の食い込みはクラス・年齢を問わない点に要注意。また春の盛岡開幕直後と夏のクラス変更直後の時期にはもつれがち。

盛岡競馬場コース図

データ分析

○直結はエーデルワイス賞から園田プリンセスCへ移行

2024年 遠征馬 北5頭
1着 エイシンナデシコ 門別・アンバー特別②←ウイナーズ②
2着 スティールブライト ウイナーズ⑤←ネクストスター門別⑩
3着 リコーシュペル ウイナーズ①←2歳①←2歳未勝利①
2023年 遠征馬 北=3頭、川=1頭
1着 コモリリーガル アタックチャレンジ①←園田プリンセスC①
2着 サウスヴィル アタックチャレンジ④←フローラルC④
3着 プレストマーヴェル ウイナーズチャレンジ④←フローラルC⑥
2022年 遠征馬 北=5頭
1着 フジラプンツェル 南部駒賞④←ビギナーズC①
2着 エイシンエイト 門別OP⑦←園田プリンセスC③
3着 キューティロメラ エーデルワイス賞⑬←JRA認定ウイナーズ②
2021年 遠征馬 北=1頭、大井=1頭、浦=1頭
1着 レディーアーサー エーデルワイス賞⑥←イノセントC①
2着 ササキンローズ 大井2歳①←大井新馬③
3着 アップテンペスト フューチャーS①←ビギナーズC②
2020年 遠征馬 北=5頭
1着 ゴールデンヒーラー 知床賞①←フューチャーステップ(芝)⑤
2着 ルビーブランケット 門別1200m①←ウイナーズチャレンジ⑤
3着 ファイントリック 知床賞④←フューチャーステップ(ダート)①
2019年 休止
2018年 遠征馬 北=5頭 笠=1頭
1着 シェリーアモール エーデルワイス賞⑮←フローラルC③
2着 グロリアスカメオ 知床賞②←園田プリンセスC⑧
3着 レスプレンデント サッポロクラシック⑤←エーデルワイス賞⑪
2017年 北=6頭
1着 エグジビッツ ラブミーチャン記念③←金沢シンデレラC①
2着 マサノスマイル ブロッサムC④←エーデルワイス賞⑦
3着 パキラパワー ブロッサムC⑦←エーデルワイス賞④
2016年 北=3頭、浦=2頭、笠=1頭
1着 スターインパルス ローレル賞③←3歳①
2着 メドゥシアナ フューチャーステップ(ダ)②←芝1600m⑦ 若鮎賞①
3着 ダンストンレガーメ 知床賞①←ウイナーズチャレンジ④
2015年 北=3頭、笠=3頭
1着 サプライズハッピー 若駒賞②←ジュニアGP⑥
2着 ラプレシオーザ Jコスモス賞⑪←函館2歳S⑧
3着 ミスミランダ― ラブミーチャン記念①←エーデルワイス賞⑪
2014年 北=3頭、川=1頭、笠=1頭
1着 ミラクルフラワー ローレル賞⑧←知床賞①
2着 パシコペンネッタ ブロッサムC⑨←エーデルワイス賞⑥
3着 ユヅルノオンガエシ ブロッサムC①←2歳OP①

*北=北海道、浦=浦和、川=川崎 笠=笠松

 歴史でも触れたが、プリンセスカップ日程変更の影響はかなり大きい。最も重要だったのはエーデルワイス賞に出走したか否か―だった。やはり大舞台を踏んだ2歳牝馬の好走馬が多いのが、岩手・プリンセスCの特徴だった。日程的には強行軍だったが、最終決着の舞台・東京2歳優駿牝馬まで1ヵ月半ほどの間隔があった。つまりプリンセスCは最終決戦へ向けてポイントを稼ぐ格好のレースだった。しかし今年は昨年より実施日が2週間ほど早くなった。さらに“GRANDAME-JAPAN”へ昇格後の2012年から2022年までは11月末か、12月第1週だったことを考えれば、過去のデータは参考にならないと思って差し支えない。ただ、近年の結果から直結しそうなのは、園田プリンセスカップになる可能性が高い。

○北海道6勝、岩手3勝、浦和1勝

2024年→2014年
1着 北 北 岩 北 岩 北 北 浦 岩 北
2着 北 北 北 大 北 北 北 岩 北 北
3着 北 北 北 岩 岩 北 北 岩 笠 北

 過去、北海道勢6勝は想像どおり。ほかの2歳交流戦でも北海道の活躍は顕著だ。さらに2024年、2023年、2018年、2017年、2014年は1着から3着まですべて北海道勢が独占している。さすが2歳馬のレベル、層の厚さ群をは抜けている。

 一方、岩手勢は3勝。2022年、地元フジラプンツェルが快勝した。3頭に共通するのは牡馬と互角以上の戦いを演じてきた強豪牝馬。ゴールデンヒーラー、サプライズハッピーは牡馬相手にも重賞優勝の実績。岩手勢の優勝条件は世代レベル次第となる。

 北海道代表馬は6勝2着8回3着6回。対して岩手代表馬は3勝2着1回3着3回。総合的に見れば北海道が優勢は動かない。

○優勝馬は4番人気以内。1番人気は5勝

1着 2着 3着 勝率 連対率 複勝率
1番人気 5回 1回 1回 50% 60% 70%
2番人気 1回 1回 3回 10% 20% 50%
3番人気 2回 1回 4回 20% 30% 70%
4番人気 2回 4回 1回 20% 60% 70%
5番人気 0回 1回 0回 0% 10% 10%
6人気以下 0回 2回 1回

*2012年は3番人気(同投票数)が2、3着

 1番人気の優勝は過去10回中5回。2着は1回、3着1回。現在、4年連続で1番人気が優勝している。一方、3番人気、4番人気は馬券対象(3着以上)では70%と好結果が目につく。理由は力関係の安定しない2歳馬。調子の波が激しい牝馬。また輸送による影響も少なくなく、波乱の様相を呈している。

 とはいっても優勝馬はすべて4番人気以内。また連対率、複勝率でも高レベルを誇り、5番人気は2着1回のみ。また6番人気以下も2着2回3着1回のみ。ある程度の人気がないと好走できないようだ。

有力馬紹介

セイクリスティーナ

牝2歳 父タリスマニック(サドラーズウェルズ系)

佐々木由則きゅう舎・水沢

 デビュー2戦目から破竹の4連勝中。若鮎賞、交流・ジュニアグランプリと芝重賞を2連勝。遠征馬を一蹴した。続いて若駒賞へ駒を進めて牡馬相手に完勝。世代屈指の強豪に君臨している。不安材料は盛岡コースを一度使って2着。入れ込みが激しいのがネックだが、陣営は折り込み済み。今度は全国の強豪牝馬が相手だが、勢いと地の利を生かして遠征馬を迎撃。フジラプンツェル以来、3年ぶりの岩手優勝の期待がかかる。

サラサチャレンジ

牝2歳 父マインドユアビスケッツ(デピュティミニスター系)

佐々木仁きゅう舎・川崎

 川崎1400m・新馬戦を快勝し、以降2戦3、4着から園田プリンセスカップへ遠征。積極的なレース運びからココキュンキュンの2着に粘った。前走・金沢シンデレラカップ4着に終わったが、今度は走り慣れた左回り=盛岡1400mが舞台。待望の重賞制覇へ王手をかけた。

トリスティ

牝2歳 父ディーマジェスティ(SS系)

田中淳司きゅう舎・門別

 母はアメリカで11勝をマークしてGⅠ(ラブレアステークス)を制し、ほかにGⅡ1勝、GⅢ1勝。門別1200m・新馬戦を快勝し、2戦目5着からJRA札幌芝1500m・クローバー賞へ挑戦して3着に健闘した。芝で好走なら速い時計決着の盛岡ダート1400mは望むところ。

スルーザミル

牝2歳 父タニノフランケル(ガリレオ系)

川島洋人きゅう舎・門別

 デビュー戦の門別1000mをあっさり逃げ切り、2戦目のリリーカップでは後方待機策に転じて3着。リュウノフライトが突き抜けたが、2着とはわずかアタマ差だった。続くフルールカップは出遅れもこたえて6着、フローラルカップは距離が長く8着。1400mに替わって巻き返し必至。

ウィルラウス

牝2歳 父ホッコータルマエ(ミスプロ系)

小国博行きゅう舎・門別

 デビュー2戦目を快勝して続く1700m戦で2着確保。JRA札幌・クロバー賞7着、前走・フローラルカップ6着と2戦着外に終わっているが、決め手を生かせるワンターンの盛岡1400mで能力全開。反撃に転じて不思議はない。

トリップス

牝2歳 父ゴルトマイスター(SS系)

小野望きゅう舎・門別

 門別1000m・新馬戦を逃げ切り、2戦4着からJRA札幌芝1200m・すずらん賞へ挑戦11着後、門別1200mで逃げ粘って2着。大外がネックだが、持ち味のスピードを生かせれば軽視できない。

フェアリーライズ

牝2歳 父インディチャンプ(SS系)

角川秀樹きゅう舎・門別

 デビュー戦の門別1100mを4馬身差で圧勝し、2戦目は最後方から一気に伸びて3着。2戦ともメンバー最速の上がりをマークした。キャリア2戦だが、その分だけ伸びしろは十分ある。