注目レース情報

第51回ビューチフルドリーマーカップ(M1)

盛岡競馬場 ダ 2000メートル2025/9/7(日) 11R 18:05発走

レースについて

○歴史

 ビューチフルドリーマーは1903年、イギリス生まれで1908年(明治41年)、小岩井農場が輸入した基礎牝馬。

 ビューチフルドリーマー系からシンザン、メイヂヒカリ、タケホープ、ニッポーテイオーなど日本を代表する名馬が誕生し、別名“グレートマザー”と称される。

 岩手競馬では偉大なる母に敬意を表し、1975年、牝馬の頂点競走ビューチフルドリーマーカップを創設。2000年から重賞へ格上げされ、2005年から全国の地方競馬に門戸を開放。2010年から“GRANDAME-JAPAN”古馬シーズンに組み込まれた。

 なお2007年以降は水沢1900mを舞台(2011年は東日本大震災の影響で盛岡ダート2000m)に実施されてきたが、2020年から2022年は盛岡ダート2000m。一昨年は水沢1900m、昨年から再び盛岡ダート2000mで行われている。

昨年優勝馬 ミニアチュール

コースの特徴

○ダート2000m

4コーナー奥のポケットからスタートして2度の坂越えを要求される過酷なコース。それだけに中途半端な逃げや先行馬は苦しい。逆に、そんなイメージのせいか実力馬が先行策を採ると他が競りかけてこず、そのまま押し切って圧勝してしまう結果も。一昨年は3レース全てを1番人気馬が制したが昨年は4レースで2番人気2勝、3番人気と6番人気がそれぞれ1勝で1番人気は未勝利だった。とはいえ1番人気も2着 を3回確保しており不振と見るのは避けておきたい。

盛岡競馬場コース図

データ分析

○直結するのは門別・ノースクイーンカップ、兵庫サマークイーン賞

2024年(盛岡)
1着 ミニアチュール(水沢) フェアリーC①←A級①
2着 ラブラブパイロ(大井) ノースクイーンC①←大井A2③
3着 マテリアルガール(浦和) 東京記念トライアル⑧←浦和OP④
2023年(水沢)
1着 ノーブルシルエット(大井) フリオーソ・レジェンドC⑩←スパーキングLC⑤
2着 サルサレイア(大井) 橘オープン⑤←ノースクイーンC④
3着 ティーズハクア(船橋) 兵庫サマークイーン賞⑤←船橋A2②
2022年(盛岡)
1着 サルサディオーネ(大井) スパーキングLC③←さきたま杯①
2着 コーラルツッキー(川崎) ノースクイーンC⑤←スパーキングプラチナ⑧
3着 フワトロ(川崎) アルタイルB1①←カペラ賞B2①
2021年(盛岡)
1着 ラインカリーナ(浦和) サマークイーン賞②←浦和スプリント④
2着 サイファリス(北海道) ノースクイーンC④←門別OP②
3着 アブソルートクイン(船橋) ノースクイーンC③←佐賀ヴィーナスC⑨
2020年(盛岡)
1着 アッキー(川崎) サマークイーン賞④←六甲盃①
2着 クオリティスタート(北海道) ブリーダーズGC⑧←ノースクイーンC①
3着 アンバラージュ(佐賀) ブリーダーズGC⑪←ノースクイーンC②
2019年(水沢)
1着 クレイジーアクセル(大井) ノースクイーンC①←ムーンストーンOP③
2着 アッキー(川崎) 文月OP③←スパーキングLC⑩
3着 エイシンミノワカ(園田) サマークイーン賞③←佐賀ヴィーナスC④
2018年(水沢)
1着 ジュエルクイーン(北海道) ノースクイーンC①←ヒダカソウC③
2着 ステップオブダンス(大井) サマークイーン賞②←エンプレス杯⑩
3着 アリッサム(岩手) 納涼特別③←フェアリーC①
2017年(水沢)
1着 ジュエルクイーン(北海道) ←ブリーダーズGC⑥←ノースクイーンC①
2着 スパンコール(岩手) ←B1①←フェアリーC③
3着 ミラクルフラワー(岩手) ←フェアリーC①←七夕特別②
2016年(水沢)
1着 ジュエルクイーン(北海道) ブリーダーズGC④←ノースクイーンC②
2着 ユッコ(岩手) B1①←B1②
3着 タイムビヨンド(北海道) ノースクイーンC①←OP①
2015年(水沢)
1着 サンバビーン(北海道) ブリーダーズGC⑦←ノースクイーンC①
2着 ジュエルクイーン(北海道) ノースクイーンC③←北海優駿③
3着 スパンコール(岩手) B①←フェアリーC③
2014年(水沢)
1着 アスカリーブル(船橋) サマークイーン賞←②スパーキングLC⑨
2着 タッチデュール(笠松) くろゆり賞①←コスモス賞①
3着 マムティ(岩手) すずらん賞③←フェアリーC③
2013年(水沢)
1着 シャイニングサヤカ(北海道) ノースクイーンC③←日高特別②
2着 アスカリーブル(船橋) サマークイーン賞②←グランドマイラーズ③
3着 ショウリダバンザイ(北海道) ノースクイーンC②←星雲賞④
2012年(水沢)
1着 サクラサクラサクラ(北海道) ノースクイーンC②←赤レンガ記念②
2着 ショウリダバンザイ ノースクイーンC①←星雲賞③
3着 センゲンコスモ(川崎) プラチナC①←読売レディス②
2011年(盛岡)
1着 マチカネオイカゼ(北海道) ノースクイーンC⑦←OP③
2着 ショウリダバンザイ(北海道) ノースクイーンC①←OP③
3着 ガッテンモントレー(岩手) ひまわり賞③←はまなす賞⑧
*参考 2010年(水沢)
1着 マイネベリンダ(岩手) フェアリーC④←A⑨
2着 エレーヌ(笠松) サマークイーン賞①←東海クイーンC①
3着 トウホクビジン(笠松) サマークイーン賞④←クラスターC⑧

2022年は2年連続でNAR4歳以上最優秀牝馬に選出されたサルサディオーネが来盛。盛岡で実施されたJBCレディスクラシックのスクーリングを兼ねてBドリーマーカップへ参戦した。案の定、能力の違いを見せつけて余裕の逃げ切りを決め、3年連続で最優秀牝馬に選ばれて無事、繁殖入りしたが、彼女は別格。通常データで分析してみたい。

 ノースクイーンカップ(門別1800m)出走馬は過去2010年以降、8度も優勝。間にブリーダーズゴールドカップをはさむケースもあるが、現在はブリーダーズGCはBドリーマーCより前に実施。ノースクイーンCからBドリーマーCへ直行する。

 もう一つのステップは兵庫サマークイーン賞(園田1700m)4年前、ラインカリーナ、5年前のアッキーと2年連続。また2014年もアスカリーブルが優勝した。ノースクイーンC、兵庫サマークイーン賞も“GRANDAME-JAPAN”シリーズに組み込まれているのが大きな理由。今年は同レースからの参戦はないが、総合優勝を目指すためにBドリーマーCはポイントを加算する絶好のチャンス。

 昨年は岩手代表ミニアチュールが快勝。2010年、マイネベリンダ以来の地元優勝を果たしたが、ミニアチュールと同じくフェアリーCからの挑戦。岩手勢はフェアリーC→BドリーマーCが王道となる。

○南関東5勝、北海道4勝、岩手1勝

地区別優勝馬(2024年→2015年)
1着 岩 大 大 浦 川 大 北 北 北 北
2着 大 大 川 北 北 川 大 岩 岩 北
3着 浦 船 川 船 佐 園 岩 岩 北 岩

川=川崎 北=北海道 佐=佐賀 大=大井 園=園田 岩=岩手 船=船橋 笠=笠松

 “GRANDAME-JAPAN”がスタートしたのは2010年。その初年度は岩手代表マイネベリンダが笠松勢の追撃を封じ逃げ切りを決めた。昨年のミニアチュールはそれ以来の快挙となった。しかし、間をはさんで遠征馬が12年連続で優勝。北海道代表7勝と優位に立っていたが、前倒しとなったブリーダーズゴールドカップとの兼ね合いもあってか2018年以降、勝利から遠ざかっている。一方、南関東代表は6勝。5年連続で優勝し、2014年にもアスカリーブルが優勝を決めている。

 対する岩手勢は1勝2着2回3着4回。14年ぶりに一矢を報いた。昨年も含めて健闘組は、地元トライアル・フェアリーCで好走したケースが多いのはチェックしたいところ。

○1番人気は勝率70%、連対率80%、複勝率は90%

1着 2着 3着 単勝率 連対率 複勝率
1番人気 7回 1回 1回 70% 80% 90%
2番人気 1回 4回 1回 10% 50% 60%
3番人気 2回 0回 3回 20% 20% 50%
4番人気 0回 2回 3回 0% 20% 50%
5番人気 0回 0回 0回 0% 0% 0%
6人気以下 0回 3回 2回

 1番人気は7勝2着1回3着1回。勝率70%、複勝率に至っては90%と信頼度は非常に高い。1番人気で馬券対象から外れたのは2020年、クレイジーアクセル(6着)。2連覇を狙って参戦したが、凡走あるのが逃げ馬の宿命。2番人気の優勝は昨年のミニアチュール。そして連対率は50%なら上々。あえて穴馬を捜すとすれば過去2勝(アッキー、1年目のジュエルクイーン)の3番人気か。

○世代別優勝馬は5歳4勝、4歳3勝

1着 2着 3着
3歳 0回 1回 0回
4歳 3回 2回 5回
5歳 4回 3回 3回
6歳 1回 3回 1回
7歳 1回 1回 1回
8歳 1回 0回 0回

 2020年、ビューチフルドリーマーカップが“GRANDAME-JAPAN”へ昇格して初めて7歳牝馬アッキーが優勝したが、2021年は5歳世代が1着~3着を独占した。また一昨年は8歳馬サルサディオーネが優勝したが、繰り返すが別格。過去10年で5歳馬4勝、4歳馬3勝と4、5歳馬が活躍。あとは6歳馬1勝2着3回3着1回の成績も頭に入れておきたい。

有力馬紹介

ミニアチュール

牝5歳 父ラブリーデイ

佐藤祐司きゅう舎・水沢

 門別2勝から2歳12月に転入。圧巻の7連勝を飾り、ダイヤモンドカップ、東北優駿と牡馬二冠を獲得。続いて岩手版オークス・ひまわり賞を制した。不来方賞は4着に敗れたが、OROオータムティアラを完勝。牡牝馬クラシック四冠を手にした。昨年はシーズン途中まで伸びを欠いていたが、6戦目から5連勝。ビューチフルドリーマーカップで遠征馬を迎撃。2010年、マイネベリンダ以来の地元優勝を果たし、最優秀牝馬に選ばれた。今季も当初は本調子を欠いたが、叩かれながら上昇。シアンモア記念3着、あすなろ賞2着、一條記念みちのく大賞典3着からフェアリーカップを2秒差で圧勝。待望の今季初勝利を飾り、BドリーマーC2連覇を狙う。

ローリエフレイバー

牝4歳 父マジェスティックウォリアー

月岡健二きゅう舎・大井

 デビュー2戦目から4連勝を飾り、東京2歳優駿牝馬を快勝。翌年はJpnⅢ・雲取賞11着から東京プリンセス賞2着。秋にはロジータ記念を優勝した。今年は休み明け2戦目・スプリングヒロインカップ(A1以下)を5馬身差で圧勝。今回の遠征馬ラブラブパイロ(5着)、マテリアルガール(9着)、ザオ(10着)を一蹴した。前走・中原オープン10着の評価が微妙だが、一息入れて立て直しに専念。このメンバーなら重賞3勝目も十分あり得る。

ラブラブパイロ

牝6歳 父パイロ

新井朋弘きゅう舎・大井

 通算9勝2着5回3着8回。なかなか重賞タイトルを手にできなかったが、昨年7月に門別へ遠征。ノースクイーンカップを完勝し、重賞ウイナーの仲間入り。続いてビューチフルドリーマーカップで牝馬重賞2連覇を狙って参戦。1番人気に支持されたが、ミニアチュールの2着に敗れた。以降は精彩を欠いたが、3走前3着から前々回快勝。今年はノースクイーンC2着から昨年の雪辱を果たす。

ザオ

牝4歳 父シニスターミニスター

米谷康秀きゅう舎・船橋

 3歳時に東海クイーンカップ(名古屋)2着、JpnⅢ・マリーンカップ3着。古馬編入後はオープンで2戦10着に終わったが、B級で2勝。前走は再びオープン入りを果たし、0秒4差4着に粘った。ペース落ち着けば好勝負に持ち込める。

マテリアルガール

牝5歳 父コパノリッキー

小久保智きゅう舎・浦和

 中央未勝利から南関東へ移籍。7勝をマークしてロジータ記念3着。昨年のBドリーマーカップでも3着を確保した。以降は苦戦が続いたが、金沢・読売レディス杯3着で復調のきっかけをつかんだ。

ケープライト

牝5歳 父ジャスタウェイ

佐藤浩一きゅう舎・水沢

 ミニアチュールと同期でひまわり賞2着だったが、2歳時に若駒賞、3歳時にイーハトーブマイルと重賞2勝。昨年10月以降は白星から遠ざかっているが、前々走をはさんで馬券対象。押さえは必要。