注目レース情報

第50回ビューチフルドリーマーカップ(M1)

盛岡競馬場 ダ 2000メートル2024/9/1(日) 11R 18:05発走

注目レース情報 不来方賞

レースについて

○歴史

 ビューチフルドリーマーは1903年、イギリス生まれで1908年(明治41年)、小岩井農場が輸入した基礎牝馬。

 ビューチフルドリーマー系からシンザン、メイヂヒカリ、タケホープ、ニッポーテイオーなど日本を代表する名馬が誕生し、別名“グレートマザー”と称される。

 岩手競馬では偉大なる母に敬意を表し、1975年、牝馬の頂点競走ビューチフルドリーマーカップを創設。2000年から重賞へ格上げされ、2005年から全国の地方競馬に門戸を開放。2010年から“GRANDAME-JAPAN”古馬シーズンに組み込まれた。

 なお2007年以降は水沢1900mを舞台(2011年は東日本大震災の影響で盛岡ダート2000m)に実施されてきたが、2020年から2022年は盛岡ダート2000m。昨年は水沢1900mで行われ、今年は再び盛岡ダート2000mで実施される。

昨年優勝馬 ノーブルシルエット

コースの特徴

○ダート2000m

4コーナー奥のポケットからスタートして2度の坂越えを要求される過酷なコース。それだけに中途半端な逃げや先行馬は苦し い。逆に、そんなイメージのせいか実力馬が先行策を採ると他が競りかけてこず、そのまま押し切って圧勝してしまうケースも。昨年は3レースのみでいずれも重賞。勝ったのはいずれも1番人気、いずれも逃げ・先行決着だった。その昨年の勝ち馬は外枠だったが過去5年の結果では1枠を筆頭に内枠の勝利が多い。ただし2着・3着まで見れば外枠も遜色なく、内外での有利・不利はあまり気にしなくていいだろう。

盛岡競馬場コース図

データ分析

○直結するのは門別・ノースクイーンカップ、兵庫サマークイーン賞

2023年(水沢)
1着 ノーブルシルエット(大井) フリオーソ・レジェンドC←スパーキングLC⑤
2着 サルサレイア(大井) 橘オープン⑤←ノースクイーンC④
3着 ティーズハクア(船橋) 兵庫サマークイーン賞⑤←船橋A2②
2022年(盛岡)
1着 サルサディオーネ(大井) スパーキングLC③←さきたま杯①
2着 コーラルツッキー(川崎) ノースクイーンC⑤←スパーキングプラチナ⑧
3着 フワトロ(川崎) アルタイルB1①←カペラ賞B2①
2021年(盛岡)
1着 ラインカリーナ(浦和) サマークイーン賞②←浦和スプリント④
2着 サイファリス(北海道) ノースクイーンC④←門別OP②
3着 アブソルートクイン(船橋) ノースクイーンC③←佐賀ヴィーナスC⑨
2020年(盛岡)
1着 アッキー(川崎) サマークイーン賞④←六甲盃①
2着 クオリティスタート(北海道) ブリーダーズGC⑧←ノースクイーンC①
3着 アンバラージュ(佐賀) ブリーダーズGC⑪←ノースクイーンC②
2019年(水沢)
1着 クレイジーアクセル(大井) ノースクイーンC①←ムーンストーンOP③
2着 アッキー(川崎) 文月OP③←スパーキングLC⑩
3着 エイシンミノワカ(園田) サマークイーン賞③←佐賀ヴィーナスC④
2018年(水沢)
1着 ジュエルクイーン(北海道) ノースクイーンC①←ヒダカソウC③
2着 ステップオブダンス(大井) サマークイーン賞②←エンプレス杯⑩
3着 アリッサム(岩手) 納涼特別③←フェアリーC①
2017年(水沢)
1着 ジュエルクイーン(北海道) ←ブリーダーズGC⑥←ノースクイーンC①
2着 スパンコール(岩手) ←B1①←フェアリーC③
3着 ミラクルフラワー(岩手) ←フェアリーC①←七夕特別②
2016年(水沢)
1着 ジュエルクイーン(北海道) ブリーダーズGC④←ノースクイーンC②
2着 ユッコ(岩手) B1①←B1②
3着 タイムビヨンド(北海道) ノースクイーンC①←OP①
2015年(水沢)
1着 サンバビーン(北海道) ブリーダーズGC⑦←ノースクイーンC①
2着 ジュエルクイーン(北海道) ノースクイーンC③←北海優駿③
3着 スパンコール(岩手) B①←フェアリーC③
2014年(水沢)
1着 アスカリーブル(船橋) サマークイーン賞←②スパーキングLC⑨
2着 タッチデュール(笠松) くろゆり賞①←コスモス賞①
3着 マムティ(岩手) すずらん賞③←フェアリーC③
2013年(水沢)
1着 シャイニングサヤカ(北海道) ノースクイーンC③←日高特別②
2着 アスカリーブル(船橋) サマークイーン賞②←グランドマイラーズ③
3着 ショウリダバンザイ(北海道) ノースクイーンC②←星雲賞④
2012年(水沢)
1着 サクラサクラサクラ(北海道) ノースクイーンC②←赤レンガ記念②
2着 ショウリダバンザイ ノースクイーンC①←星雲賞③
3着 センゲンコスモ(川崎) プラチナC①←読売レディス②
2011年(盛岡)
1着 マチカネオイカゼ(北海道) ノースクイーンC⑦←OP③
2着 ショウリダバンザイ(北海道) ノースクイーンC①←OP③
3着 ガッテンモントレー(岩手) ひまわり賞③←はまなす賞⑧
*参考 2010年(水沢)
1着 マイネベリンダ(岩手) フェアリーC④←A⑨
2着 エレーヌ(笠松) サマークイーン賞①←東海クイーンC①
3着 トウホクビジン(笠松) サマークイーン賞④←クラスターC⑧

 一昨年は2年連続でNAR4歳以上最優秀牝馬に選出されたサルサディオーネが来盛。盛岡で実施されたJBCレディスクラシックのスクーリングを兼ねてBドリーマーカップへ参戦した。案の定、能力の違いを見せつけて余裕の逃げ切りを決め、3年連続で最優秀牝馬に選ばれて無事、繁殖入りした。昨年データでも記したが、彼女は別格。通常データで分析してみたい。  ノースクイーンカップ(門別1800m)出走馬は過去2010年以降、9度も優勝。間にブリーダーズゴールドカップをはさむケースもあるが、ノースクイーンC→(ブリーダーズGC)→ビューチフルドリーマーCが王道。

 もう一つのステップは兵庫サマークイーン賞(園田1700m)3年前、ラインカリーナ、4年前のアッキーと2年連続。また2014年もアスカリーブルが優勝した。ノースクイーンC、兵庫サマークイーン賞も“GRANDAME-JAPAN”シリーズに組み込まれているのが大きな理由。今年は同レースからの参戦はないが、総合優勝を目指すためにBドリーマーCはポイントを加算する絶好のチャンス。遠征馬が強いのも当然だ。

○南関東6勝、北海道4勝。遠征馬が圧倒的優位

地区別優勝馬(2023年→2014年)
1着 大 大 浦 川 大 北 北 北 北 船
2着 大 川 北 北 川 大 岩 岩 北 笠
3着 船 川 船 佐 園 岩 岩 北 岩 岩

川=川崎 北=北海道 佐=佐賀 大=大井 園=園田 岩=岩手 船=船橋 笠=笠松

 “GRANDAME-JAPAN”がスタートしたのは2010年。その初年度は岩手代表マイネベリンダが笠松勢の追撃を封じ逃げ切りを決めたが、以降は遠征馬が12年連続で優勝。北海道代表7勝と優位に立っていたが、南関東代表は6勝。5年連続で優勝し、2014年にもアスカリーブルが優勝を決めている。

 対する岩手勢は2着2回3着4回。全国の強豪相手に健闘しているとも言えるが、総出走頭数から考えれば物足りない結果―が正直なところ。ただ、健闘組は地元トライアル・フェアリーCで好走したケースが多いのはチェックしたいところ。

○1番人気は勝率70%、連対率80%、複勝率は90%

1着 2着 3着 勝率 連対率 複勝率
1番人気 8回 0回 1回 80% 80% 90%
2番人気 0回 5回 0回 0% 50% 50%
3番人気 2回 0回 3回 20% 20% 50%
4番人気 0回 2回 3回 0% 20% 50%
5番人気 0回 0回 1回 0% 0% 10%
6人気以下 0回 3回 2回

 1番人気は8勝2着0回3着1回。勝率80%、複勝率に至っては90%と信頼度は非常に高い。1番人気で馬券対象から外れたのは2020年、クレイジーアクセル(6着)。2連覇を狙って参戦したが、凡走あるのが逃げ馬の宿命。2021年以降は1番人気にこたえて完勝し、軌道修正した。2番人気の優勝は過去10年ではないが、連対率は50%なら上々。あえて穴馬を捜すとすれば過去2勝(アッキー、1年目のジュエルクイーン)の3番人気か。

○世代別優勝馬は5歳5勝、4歳2勝

1着 2着 3着
3歳 0回 1回 0回
4歳 2回 2回 5回
5歳 5回 3回 3回
6歳 1回 3回 1回
7歳 1回 1回 1回
8歳 1回 0回 0回

 2020年、ビューチフルドリーマーカップが“GRANDAME-JAPAN”へ昇格して初めて7歳牝馬アッキーが優勝したが、2021年は5歳世代が1着~3着を独占した。また一昨年は8歳馬サルサディオーネが優勝したが、繰り返すが別格。狙いは4~6歳馬が中心となる。

注目レース情報 不来方賞

有力馬紹介

ラブラブパイロ

牝5歳 父パイロ

荒井朋弘きゅう舎・大井

 2歳時1勝、3歳時は1勝にとどまったが、昨年4勝マーク。12月30日、牝馬重賞・東京シンデレラカップでスピーディキックにハナ差2着。メンバー最速の上がりを駆使した上、ラスト200mで約5馬身ほどの差を一気に詰めた。

 その後は休養に入り、4月中旬に復帰。初戦6着から2戦連続3着にまとめて門別・ノースクイーンカップへ遠征。3番人気に甘んじたが、後方待機策から早めにスパート。3コーナーで先頭に立ち、そのまま押し切って0秒4差で完勝。待望の初重賞を獲得した。ノースクイーンCとビューチフルドリーマーカップとの連動性が高く、長距離輸送も問題なかったことも収穫。重賞2連勝に王手をかけた。

マテリアルガール

牝4歳 父コパノリッキー

小久保智きゅう舎・浦和

 中央5戦0勝から浦和へ移籍。3戦目の浦和1500mを快勝し、一戦置いて浦和1400m戦で2勝目をマークしたが、続いて2000mへ矛先を変えると見事覚醒。2000m6戦5勝をあげ、3走前には牡馬相手の武蔵オープンでも鮮やかな逃げ切りを決めた。ここ2戦は4、8着に終わったが、自分の競馬ができなかったのが敗因。ベストの逃げ戦法を打つことができればアッサリの可能性も十分ある。

ティーズハクア

牝5歳 父タイセイレジェンド

山中尊徳きゅう舎・船橋

 門別8戦1勝2着1回3着3回から船橋へトレード。浦和・桜花賞2着、ロジータ記念でも2着を確保した実力牝馬。通算4勝ながら2着10回3着4回。勝ち味の遅さはあるが、メンバー関係なく堅実さを発揮している。ノースクイーンカップでラブラブパイロと1秒4差は決定的ともいえるが、昨Bドリーマーカップ(水沢)でノーブルプリンセスの3着。今回も上位争いに参加する。

サルサレイア

牝8歳 父クロフネ

堀千亜樹きゅう舎・大井

 姉はダートグレード5勝、中央4勝、地方9勝。一昨年のビューチフルドリーマーカップなども完勝し、3年連続でNAR最優秀牝馬に選ばれたサルサディオーネ(父ゴールドアリュール)。姉は逃げタイプだっったが、サルサレイアは追い込みに近い差し馬。脚質的な不利があり、3勝のみだが、ダートグレードへ挑戦すること16回。一昨年のJBCレディスクラシックでは姉妹の出走でも話題を集め、昨BドリーマーCでティーズハクアに先着2着。2021年は4着だったが、コース広い盛岡が合う。

ミニアチュール

牝4歳 父ラブリーデイ

佐藤祐司きゅう舎・水沢

 昨年、ダイヤモンドカップ、東北優駿(岩手ダービー・当時)の牡馬二冠を制し、さらにはひまわり賞(オークス)、OROオータムティアラと牝馬二冠も獲得。最優秀3歳馬に選出された。ロジータ記念10着後は壁に突き当たったが、今季3戦目の盛岡1000m完勝をきっかけに目下2連勝中。トライアル準重賞・フェアリーカップも余裕の逃げ切りを決めた。成長を続ける4歳馬が再び全国区へ挑戦する。

ビジン

牝5歳 父キズナ

野口寛仁きゅう舎・浦和

 中央ダート3勝後、中山芝2500mを快勝してオープン入り。今年6月、浦和へ移籍して初戦6着からOROカップへエントリーしたが、芝からダート変更。さらには取り止めとなり、今回が仕切り直しの一戦。JpnⅢ・クイーン賞4秒差10着に終わり、地方ダート対応が課題だが、過去実績から2000mは基本歓迎。

サブルドール

牝6歳 父カジノドライヴ

田中淳司きゅう舎・門別

 門別1勝から南関東へ移籍したが、苦戦の連続。2着1回が最高だったが、昨年2月の船橋B3戦を快勝。3年ぶりの勝利を飾り、秋に2連勝。JpnⅢ・クイーン賞で5着に健闘した。続く東京シンデレラマイル4着後、半年の休養を経て門別へ帰郷。初戦9着に終わり、その後は立て直しに専念。2ヵ月半の休養でどこまで回復したか。

注目レース情報 不来方賞