有力馬紹介
■マテラスカイ
一昨年7月、中京ダート1400mで行われたプロキオンステークス(GⅢ)で2着インカ―テーションに0秒7差をつけて逃げ切り圧勝。従来の日本レコードを1秒2も更新し、1分20秒3の驚異的タイムをマークした。同年、JBCスプリントはグレイスフルリープのクビ差2着。惜しくもJpnⅠタイトル獲得はならなかった。
昨年はドバイ・ゴールデンシャヒーン(メイダン・ダート1200m)へ2度目の挑戦。2着に善戦し、帰国初戦にプロキオンSを選び、連覇を狙って登場。圧倒的1番人気に支持され、1000mを56秒0、1200mを1分8秒2で通過。日本レコードで逃げたが、ラスト200mで一杯となって5着に敗れた。
続いてセントウルS(芝1200m)7着後、ダートの最高峰ブリーダーズカップ・スプリント(サンタアニタ競馬場)へ挑戦。大外にも泣いて8頭立て8着に沈んだ。
しかしチャレンジ精神旺盛。今度はサウジアラビア・サウジアカップ(サウジア・スプリント)へ遠征。大外から果敢に逃げて4コーナーで後続に5馬身以上。残り200mでもリードを保ったが、最後の最後で力尽きてクビ差2着。惜敗したが、世界でもトップレベルのスピードを証明した。
前走・北海道スプリントカップでも逃げに逃げたが、ゴールでメイショウアイアンに交わされてハナ差同着2着。「時計のかかる馬場が合わなかった」と武豊騎手。
盛岡ダート1200mのレコードは3年前、ブルドッグボスがマークした1分8秒8。これは日本レコード・ビクトリテツニーの1分8秒7(中山・カペラS)に0秒1差に迫るもの。
高速馬場を味方に、マテラスカイが今度こそ重賞2勝目を手にする。
■ブルドッグボス
一度目のクラスターカップ参戦は中央ダート6勝から臨んだ2016年。連覇がかかったダノンレジェンドは60キロの酷量を背負ったため、ブルドッグボスが1番人気に支持されたが、2馬身差2着。
雪辱を果たしたのは翌年17年。南関東浦和・小久保きゅう舎へ移籍2戦目だった。1番人気はサイタスリーレット。ブルドッグボスは4番人気に甘んじだが、直線で先頭に立ったラブバレットをキッチリ差し切って快勝。盛岡ダート1200mレコードを更新する快走を披露した。
その後のダートグレードでは勝ち切れないレースが続いたが、昨年、浦和で行われたJBCスプリントを快勝。悲願を達成し、NAR年度代表馬に選出された。
今年はフェブラリーSから始動。13着に終わったが、一戦ごとに着順をあげて前回・浦和スプリントを快勝。上昇ムードで2度目の制覇を狙う。
クラスターCは4度目の挑戦。規定により抜けたトップハンデ59キロを背負うが、レコードホルダーの意地でも負けられないところ。
■ヒロシゲゴールド
ダートグレード初登場は昨年4月、東京スプリント(JpnⅢ)。果敢に逃げてキタサンミカヅキ、コパノキッキングの3着に粘った。
一戦置いてクラスターカップへ参戦。外強襲ヤマニンアンプリメには屈したが、コパノキッキングの追撃を封じて2着を確保した。
前々走・すばるステークスは距離も長く13着に沈んだが、京葉ステークスで1年1ヵ月ぶりの美酒を味わい、上昇ムードで臨むのが心強い。
過去実績、昨クラスターC2着からも逃げがベスト。強力逃げ馬マテラスカイがいるので折り合いがカギだが、2番手までなら我慢できるはず。当然だが、上位の一角を形成する。
■トップウイナー
3歳2月まで芝路線を歩み、2着4回。その後はダートをメインに5勝マーク。2勝クラスから3連勝を飾った。距離も1200mから1800mまでと融通性が非常に高い。
前走・プロキオンステークスが重賞初挑戦。2番手からサンライズノヴァの0秒6差5着なら健闘と見ていいだろう。
キャリアでは見劣るが、これから成長続ける4歳馬。地方ダートもこなせるようなら将来も約束された。
■アユツリオヤジ
管理するのは南部杯2勝、JBCクラシック盛岡を制したコパノリッキー、クラスターC連覇ダノンレジェンドでもおなじみの村山明調教師。
デビューから一貫してダート短距離を使って1200m4勝。前々走のテレビ―ユー福島賞(3勝クラス)が初芝だったが、アッサリ逃げ切り、6歳にしてオープン入り。
勢いを駆ってGⅢ・アイビスサマーダッシュに挑戦したが、スペシャリストがそろって12着。
ダートグレード、地方ダートも未経験だが、サウスヴィグラス産駒なら盛岡ダートも合うはず。
■メイショウアイアン
中央ダート4勝から一昨年、北海道へトレード。6勝2着6回の成績を残し、昨年の北海道スプリントカップ2着。
今年は休み明けを一戦叩いて同レースへ臨み、直線大外強襲。マテラスカイ、スズカコーズウェイとの叩き合いの末、ハナ差先着。10歳にして重賞初制覇。2000年、オースミダイナー以来2度目の優勝を地元にもたらした。
クラスターカップは今回で3度目の参戦。過去2回は6、7着だったが、グレードウイナーの勲章を胸に、今年こそ上位進出をもくろむ。
■ショーム
南部杯3連覇、かしわ記念3連覇、フェブラリーステークス、ジャパンカップ・ダート、JBCスプリントとダートグレード9勝したエスポワールシチーの初年度産駒。
ダート1400m~1800mで5勝してオープン在籍。前走・北海道スプリントカップが重賞初挑戦で8着に終わったが、地方ダート2度目の上積みは確実にある。